平成22年までの約9年間に、女性9人に乱暴したなどとして強姦致傷罪などに問われ、1審静岡地裁沼津支部の裁判員裁判で5事件について懲役24年、4事件について26年とされた無職、小沢貴司被告(35)の控訴審判決公判が27日、東京高裁で開かれた。八木正一裁判長は「1審の結論が重すぎて不当とはいえない」として、1審判決を支持、控訴を棄却した。 複数の罪に問われた場合、有期懲役刑の上限は30年だが、小沢被告は9事件の間に窃盗事件で有罪判決が確定していたため、刑法の規定に基づき、確定判決の前後でそれぞれ刑が言い渡された。 弁護側は控訴審で「懲役50年は重すぎる」と主張したが、八木裁判長は、「1審の判断過程が不合理であるとは認められない」と指摘。「専門家でない裁判員が短期間に適切な量刑判断をすることは困難」とする弁護側の主張については「裁判員裁判の事実認定や量刑判断は裁判官と裁判員の合議で行われるもので