宮崎県で猛威を振るう家畜伝染病「口蹄疫(こうていえき)」が全国有数の“畜産の都”に飛び火した可能性が出た。 9日、牛3頭に口蹄疫感染の疑いがあることが分かった都城市は、2006年までの統計では牛・豚肉の生産額が日本一を誇った。隣接する鹿児島県も日本一の黒豚産地。24時間態勢で幹線道路の消毒を続けるなど厳戒態勢を敷いていただけに、関係者の間には「これだけやっても感染を防げないのか」と衝撃と落胆が広がった。 「とうとう来てしまったか。畜産農家が最も恐れていたことだった」 この日、感染疑いが判明した同市高崎町の農場近くで養豚業を営む男性は落胆した様子で話した。「都城だけには口蹄疫を入れてはいけないと対策を取ってきたのに……。今日は夜通し消毒作業をするつもり」 近所で酪農を営む肥田木(ひだき)房行さん(65)も「えびの市で感染拡大が終息し、一安心していたところだったのに。すごくショックだ」と話した