シミュレーターによるF-16同士の空戦は、実際の機体が耐えられない高速旋回などはできない設定で行なわれた(写真/米空軍) 将棋や囲碁に続き、「空戦」でもAI(人工知能)に完敗――。 8月18日から20日に米国防総省のDARPA(国防高等研究計画局)が主催したバーチャル空中戦大会「アルファ・ドッグファイト・トライアルズ」。 AI同士のリーグ戦とトーナメントでロッキード・マーティンやボーイングなどを抑え勝ち進んだヘロンシステムズ社のAIは、F-16戦闘機のバーチャル空中戦で人間パイロットと対戦し、5戦全勝の圧勝劇を見せた。 AIの挑戦を受けたのは、米空軍兵器学校を卒業し、総飛行時間2000時間を超える大ベテラン、パイロットネーム"バンガー"。米空軍協会の発表によれば、彼はこう語っている。 「AIは、米空軍が通常の訓練で設けている、攻撃時の高度差や攻撃角などの制限にまったくとらわれていなかった。