【シンガポール=青木伸行】ミャンマーのフラ・ミン国防相は2日、アジア安全保障会議で演説し、タン・シュエ前政権下で、核開発を試みていたと初めて認めた。ただ、開発は平和利用のためで核兵器ではなく、昨年3月にテイン・セイン政権が発足後、開発を停止したとしている。 国防相は、開発は「学術的研究で核兵器のためではなかった。現実の制約から進展せず断念した」と明らかにした。開発は停止したため、国際原子力機関(IAEA)に「見せるものは何もない」とも述べた。 「現実の制約」とは技術、資金両面での障害を指すとみられる。また、変革を進めるうえで、孤立する北朝鮮との協力は得策ではない、と判断したようだ。 ミャンマーは1980年代初めから、スカッドミサイルと核の取得を狙い北朝鮮に接近し、米国などが核開発疑惑を追及してきた。テイン・セイン大統領は最近、北朝鮮から武器を輸入していた事実を認めたが、核開発は否定し