16歳で始まったラーメン人生つけ麺の生みの親にして、東池袋大勝軒創業者の山岸一雄さんが、4月1日、心不全のため都内の病院にて逝去された。享年80歳。「ラーメンの神様」と呼ばれ、孫弟子も合わせると300人以上ものラーメン職人を輩出し、多くのファンを魅了し続けてきた山岸さん。60年にわたるラーメン人生の中で、ラーメン界に多くのものを遺していった。 山岸さんは1934(昭和9)年、長野県に生まれた。16歳の時に上京し、最初は旋盤工として働いていたが、幼い頃から可愛がってもらい「兄貴」として慕っていた又従兄弟である故坂口正安氏に請われる形で、阿佐ヶ谷にある「栄楽」に入り半世紀以上に渡る長きラーメン人生が始まった。坂口氏は独立開業するにあたり栄楽で修業をしていたが、開業時には山岸さんに手伝って貰いたいと考えていた。 当時16歳、若くて身体もがっちりとしていた山岸さんが任された仕事が「製麺」だった。当