批評家・鎌田哲哉の論文。『群像』1999年4月号掲載。 知里真志保の「怒り」などに焦点を当て、武田泰淳の『ひかりごけ (新潮文庫)』や『森と湖のまつり (講談社文芸文庫)』が検討される。知里幸恵、金田一京助などと知里真志保の関係にも目が向けられる。鎌田には著書がないから雑誌にしか載っていないのに浅田彰が絶賛したというだけでえらく有名になっている、ある種の人々の浅田への個人崇拝のあらわれを見て取ることのできるもの。なお知里については藤本英夫『知里真志保の生涯』に詳しい。浅田がそれを読んでいたかどうかは知らない。 鎌田哲哉が丸山真男論についで発表した知里真志保論(『群像』1999年4月号)は、その点でも瞠目に値する。彼は、このアイヌの知識人が、もとより日本人に同化するのでもなく、かといってアイヌのアイデンティティに安住するのでもなく、あくまでも両者に対する鋭い違和感を怒りとともに生き抜いたこと
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く