感染症診療の原則

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【コメント欄より】 予防接種をどこで相談すればいいのか

2011-06-30 | 毎日いんふぇくしょん(編集部)
ブログをお読みいいただいている皆様いつもありがとうございます。
またコメントや質問、ミススペルの修正アドバイスなどもありがとうございます。

仕事の合間の作業のために出張などが続くと作業が手薄になったり遅れますが、中の人間が「中」「高」年にさしかかり、記憶力、判断力、視力、手作業がそれなりになっております(^^;)。どうかご容赦ください。

質問や相談をたくさんいただくのですが、個別の相談、特に症状があるような場合はインターネットやメールでは解決しませんので受診をおすすめします。
青木編集長の診療や相談を希望の場合は、通常の診療、またはセカンドオピニオンの受診として、水曜日午前(新宿東口クリニック)と木曜日午前(都立駒込病院感染症科外来)がありますので病院で予約をおとりいただけますようお願いします。

ご質問や相談すべてにおこたえできるブログではございませんが、話題としてみなさんと共有したいなと思うテーマや情報は機会をみつけて紹介させていただきたいと思います。

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前置きが長くなりました。さて。ご質問でとても多い内容をご紹介します。


「聖路加の予防接種の講座の件、出席出来なかったのですが、予防接種の件で相談できる病院や窓口はありますでしょうか。
五か月のあかちゃんがいましてこれからポリオ、任意のB型肝炎の予防接種を受けるか悩み、かかりつけに聞いていますがいまいち納得出来づ、たまたま青木様のこのHPにたどり着きました。 10月まで待って講座を受けられればいいのですがもし相談窓口があれば先に伺ってみたいと思います。突然のコメント申し訳ございません。宜しくお願い致します。」

1)セカンドオピニオンをきくための受診
「VPDを知って、こどもを守ろうの会。」のサイトでは、会員の先生の名簿が公開されています。

予防接種をより積極的に考えている医師を探す際の参考になりますが、自宅近くにある保証がない、相談といっても受診なので基本的に費用は必要といった課題もあります。
(予防接種の説明はとても時間がかかります)

2)予防接種センターで相談する
これは全都道府県にあるわけではないようですが、設置されているところなら相談対応もしているそうです。
大阪のセンター

3)ネットメディアの閲覧
大手小町(読売新聞の掲示板サイト)や、Mixiの子育てコミュニティで多様な意見を聞いてみる。

4)勉強会を開いてみる:講師としてそこによんでみる
無料でよべる講師としておすすめなのは保健所のスタッフです。
たとえば東京都中央区では、健康関連の勉強会に無料で保健所のスタッフがきてくれます。
開業医さんが子育てサロンなどを開いて、看護スタッフなどを講師としてやっているところもあるようです。

以上、一般論としての情報提供です。

同様のご質問を多数いただいており、最終的には個別相談なので、医師だけでなく薬剤師や看護師が対応できるようになっていくことが望ましいと考えています。


他の医療機関を受診して相談して歩くというのはとてもたいへんなことです。
基本的な情報を皆が共有できていない現状がこのような状況を生んでいるように思います。

まず、厚労省や自治体のHPには任意接種の説明がほとんどありません。また、任意接種含めて予防接種がいかに赤ちゃんや保護者、社会に意味があるのかという積極的な説明もありません。

(よくわからないけど)無料だからやる、わざわざ通知がくるからやったほうがいいんだろうとおもってやる、というあたりが情報認知のボトムだとすると、「子どものために!」と自分で調べ、不足なものは足やお金を使ってでもアクセスしていくステージにいる人との違いを見ます。

あれ?と思ったら調べて動くことを支援しています。
大きな災害がおきて、医療機関や公的システムもがダメージを受けるとき、「ああ、あのときやっておけばよかったなあ」と思うことはたくさんあると思うのですが、命に係わる問題の準備として予防接種などは本当に先まわりして学んで動くことが重要だと思いました。
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保健所・保健婦さんも (松山 剛)
2011-06-30 13:04:58
私が経験したある地方都市の対応では、生後3ヶ月で、まずBCGを受けなさい、と進めていました。
母子手帳を見ると、三種混合もヒブもプレベナーも真っ白な予防接種欄に、ぽつんとBCGのハンコが押してあります。
こんな子供が続々とやってくると、この地方は大丈夫なのか、と思ってしまいます。

行政や保健婦さんの指導だそうです。
6ヶ月未満の短い期間限定だから、まず受けさせてしまおう、ということなのでしょうが、これだとどんなに早くても、三種混合は生後4ヶ月以降。
何か間違っている、と思わないのかと悩みます。

保健所や保健婦さんに相談しても良いのでしょうが、その人たちの知識と意識がどのレベルなのかによって、結果が全く異なる危険があります。
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