今日の日経は、民主党の年金改革案の検討経緯をコンパクトにまとめている。端的にいうと、マニフェストで約束した改革は、増税幅を考えると実現は不能なことが分かり、先送りしたというものである。今、それを公明党に国会で衝かれている。
先日、筆者は、民主党案の7万円の最低保障は、マクロ経済スライドをかけていないのではないかと指摘したが、そうではなかったようだ。7万円の最低保障は、実は、5.8万円程度に過ぎないようである。こう言うのもおかしいが、筆者が間違えるようでは、国民は、ほとんど理解できまい。
つくづく、「抜本改革」で国民を期待させた罪の大きさを思わざるを得ない。現行制度をベースにして、地道な改善案を超党派で考えてほしいものだ。それには、試算の公開は欠かせない。今の状態では、筆者も、どこがどのくらい手厚くなったのか分析不能である。そして、抜本改革は幻想だったと、認めることだろう。
他方で、少子化対策には、抜本改革がいる。ひとつ例えを出そう。年収500万円の人が病にかかり、年に2.5万円の薬を服用すれば、衰弱が避けられるとしよう。このとき、いかに家計が苦しくても、2.5万円が惜しくて死を選ぶことはあり得ないと思う。
実は、これは日本であって、病は少子化、500万円はGDP(兆円)、2.5万円は少子化対策に必要な額を示している。先日、新しい人口推計が出されて、各紙は少子化対策の必要性を強調したが、2.5万円を覚悟せよという者はいなかった。死に至る病なのに、危機感も、その程度ということである。
年金の最低保障のために巨額の消費税をつぎ込むより、少子化対策の方が、年金を改善するためにも遥かに効果が高いし、新たな財源にも苦しまずに済む。どうすれば良いのかは、いつものセリフだが、基本内容の「雪白の翼」に示したとおりである。
(今日の日経)
電機苦境、再生急ぐ・ソニー。シャープ赤字2900億円。SUMCO・2工場閉鎖。景気再浮揚・ハレと日常が二極化。年金試算不毛な迷走。最低保障年金に公明が照準。子育て新制度は育つか。食品に小容量を投入。国内新車販売36%増。経済教室・復興予算の執行・林敏彦
※新車は好調、1月の消費は期待できるかな。※林先生の論考は示唆に富むね。
先日、筆者は、民主党案の7万円の最低保障は、マクロ経済スライドをかけていないのではないかと指摘したが、そうではなかったようだ。7万円の最低保障は、実は、5.8万円程度に過ぎないようである。こう言うのもおかしいが、筆者が間違えるようでは、国民は、ほとんど理解できまい。
つくづく、「抜本改革」で国民を期待させた罪の大きさを思わざるを得ない。現行制度をベースにして、地道な改善案を超党派で考えてほしいものだ。それには、試算の公開は欠かせない。今の状態では、筆者も、どこがどのくらい手厚くなったのか分析不能である。そして、抜本改革は幻想だったと、認めることだろう。
他方で、少子化対策には、抜本改革がいる。ひとつ例えを出そう。年収500万円の人が病にかかり、年に2.5万円の薬を服用すれば、衰弱が避けられるとしよう。このとき、いかに家計が苦しくても、2.5万円が惜しくて死を選ぶことはあり得ないと思う。
実は、これは日本であって、病は少子化、500万円はGDP(兆円)、2.5万円は少子化対策に必要な額を示している。先日、新しい人口推計が出されて、各紙は少子化対策の必要性を強調したが、2.5万円を覚悟せよという者はいなかった。死に至る病なのに、危機感も、その程度ということである。
年金の最低保障のために巨額の消費税をつぎ込むより、少子化対策の方が、年金を改善するためにも遥かに効果が高いし、新たな財源にも苦しまずに済む。どうすれば良いのかは、いつものセリフだが、基本内容の「雪白の翼」に示したとおりである。
(今日の日経)
電機苦境、再生急ぐ・ソニー。シャープ赤字2900億円。SUMCO・2工場閉鎖。景気再浮揚・ハレと日常が二極化。年金試算不毛な迷走。最低保障年金に公明が照準。子育て新制度は育つか。食品に小容量を投入。国内新車販売36%増。経済教室・復興予算の執行・林敏彦
※新車は好調、1月の消費は期待できるかな。※林先生の論考は示唆に富むね。