経済を良くするって、どうすれば

経済政策と社会保障を考えるコラム


 *人は死せるがゆえに不合理、これを癒すは連帯の志

キシノミクス・激動の中のマイナス成長

2021年10月31日 | 経済(主なもの)
 週末に9月の経済指標が公表されたが、7-9月期はマイナス成長が免れないようだ。振り返れば、7月のコロナ感染の激増とオリンピック開催、8月後半の感染反転、9月の急減と緊急事態宣言の解除と、激動だった。加えて、原油高・円安、半導体不足による自動車生産の減少と感染以外の変動も大きかった。足下の10月に、かなり戻りつつあるものの、7-9月期でくくれば、マイナスに沈んだ形である。

………
 9月の商業動態・小売業は、前月比+2.7と高めの伸びだったが、前月が-4.1にもなっていたので、落ち込みを取り返すにも足りない。7-9月期の前期比は+1.1となったものの、消費者物価指数・財が前期比+0.9にもなっているので、実質では、かなり不調だった4-6月期とほぼ同じレベルにとどまる。こうした結果を踏まえると、7-9月期の消費は、前期比-0.5%程のマイナス成長になると思われる。

 感染の拡大で、サービス消費が低迷するのは仕方ないにせよ、この半年、小売業で増えているのは、物価高の飲食料品と燃料であり、それ以前に好調だった自動車や機械器具も衰えている。常用雇用の増加が止まり、実質賃金が下がっているので、当然とも言えるが、昨年の10万円給付という再分配による押し上げが剥落し、追加策をした欧米とは異なる、その後の「無策」が表れたと見ることもできよう。

 9月の鉱工業生産は、前月比-5.1と3か月連続の低下となった。7-9月期も前期比で-3.6と5四半期ぶりの低下である。その最大の要因は自動車の生産制約だ。耐久消費財で見ると、7-9月期は-17.8にもなるが、10,11月は+18.5と取り戻す予定である。悪いのは、非耐久消費財も同様であり、続く10,11月の予測まで-2.9となっている。生産制約のみならず、普通に景気が悪いのである。

 そうした中、設備投資の動向を示す資本財(除く輸送機械)は、7-9期が前期比-0.9となったものの、10,11月は+6.1になる予測である。7-9月期の設備投資は、-1.2%程のマイナスになるけれども、先行きは明るい。建設投資に関しても、建設財は、7-9月期が-1.0となったものの、10,11月は+3.3と伸びる見通しである。問題は、民間住宅は堅調でも、経済対策が息切れしており、公共事業が7-9月期はマイナスになりそうだ。

 雇用については、9月の就業者は、前月比-28万人と、前月の-32万人に続いての減となっており、いまだ不調にある。他方、9月の新規求人倍率は、+0.13の2.01倍と4か月ぶりにプラスに変わり、緊急事態解除後に向けての明るい兆しがうかがえる。10月の消費者態度は、9月と同様に上昇した。特に、雇用環境は+4.9の高い伸びで、水準はようやく40台であるものの、コロナ禍では最も高くなっている。

(図)


………
 初回の「キシノミクス」であったが、残念なながら、マイナス成長の景気の悪い話になってしまった。それでも、非常事態宣言が終わって以降、足下の10月は急速に回復しているようであり、展望は開けている。ただし、経済対策が剥落する状況で、政策的には成り行き任せになっており、これから、どのような形で需要を調節し、成長軌道に乗せていくかが問われるところである。 


(今日までの日経)
 新車不足、遅れる納期。日本経済、反発力乏しく 7~9月、マイナス成長予測。SNS、政策動かす 「女性・子育て」増。米GDP、2.0%増に減速 7~9月、コロナ再拡大響く。大株主情報 350万社に要請。

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10/27の日経

2021年10月27日 | 今日の日経
 東京のコロナの感染確認数は、過去1週間平均が30人を割り、これは第1波後の昨年6月以来のことで、ついに収束したと言えるだろう。むろん、ワクチン接種、特に若者への普及が、劇的な減少をもたらしたと考えられる。マスク習慣が徹底している日本は、もともと感染レベルが低いので、このまま終わってくれればと思う。飲食店の営業制限も解除となり、経済も正常化に向かう。忍耐の日々は本当に長かった。

(図)



(今日までの日経)
 2回目接種、7割超え。世界の30年排出量、10年比で16%増。アイリスオーヤマの秘密コード「なぜ、どうして、どうすれば」。 ネット診療 報酬低く「登録だけ」。

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賃金を増やすことと需要の管理

2021年10月24日 | 経済
 「賃金が増えていない」と言われるが、2015年以降、GDPの雇用者報酬は、名目、実質ともに増えてきている。つまり、全体のパイは大きくなっているけれど、雇用者の数も増えているから、1人当たりでは伸びていないというわけである。それは、毎月勤労統計を見ても明らかで、実質賃金が低迷する中、雇用者数は着実に増加している。どうして、こうなってしまったのだろう。

………
 岸田政権では、再分配を強化するために、税制で賃上げを促進するようだ。それも一つの方法ではあるが、賃金もまた、需要と供給の法則に支配されるので、通常、賃金が上がるのは、人手不足のときである。実際、アベノミクスの間も、パート・アルバイトの時給は上昇していた。人手不足とは、売上が拡大する中で、提供がままならない状態であり、物価とも裏腹の関係にある。

 物価が上がらないのは、基本的に消費の弱さが原因だ。消費が振るわないのは、手元にお金が十分にないからで、それには賃金の上昇が必要になる。結局、循環するのである。物価、消費、賃金は、輪になっていて、どこかで堰き止められると、どれも上がらなくなる。そして、アベノミクスの間にしていたのは、徹底した消費の抑制であり、税と保険料を重くし、円安で買いにくくしていた。

 物価、消費、賃金は循環だから、循環の速度が十分に上がるまで待ち、それからブレーキをかければ、適度な上昇を保ちつつ、財政再建もできる。タイミングが大事なのであって、その前に焦ってブレーキを踏んでしまうと、いつまで経っても低速が続いて、デフレから脱することができなくなってしまう。その意味で、賃上げにおいても、需要の適切な管理が極めて重要になってくる。

 またぞろ、「財政赤字が積み上がっていても成長しなかった」との言説がなされているが、アベノミクスの間に、一般政府の資金過不足が急速に改善したことは事実であり、それだけの緊縮をやっておいて、意味がないとするのはいかがなものか。むしろ、そうした荒っぽさこそが、日本が異次元の金融緩和をしつつも、デフレから脱却できずにいる理由であるように思う。

(図)


………
 朝日新聞の世論調査で、消費税率「10%維持」57%、「引き下げ」35%という結果が出ていたが、意外に国民は堅実なのだと思う。消費税は、上げるにしても、下げるにしても、大きな需要シッョクを伴うので、需要の管理で使うのは現実的でない。給付金にしても、貯蓄や返済で十分に需要に結びつかなかったり、一部の耐久財に集中して供給を攪乱したりといった難しさがある。賢い「再分配」が求められる。 


(今日までの日経)
 中小負債、10年ぶり高水準 返済猶予切れ迫る。賢い支出、成長主眼に 20年で債務1.8倍、先進国で突出 長期戦略に規律必要。迫る米緩和縮小、新興国の資金流出。難路の経済回復、米金利が予見 長・短期債の利回り差縮小。



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10/20の日経

2021年10月20日 | 今日の日経
 8月の建設総合統計が公表になったが、公共の減衰ぶりが目立つ。せっかく、住宅が消費増税からの痛手から抜けて、着実に増えているのに、企業の低迷もあって、建設投資全体では横バイの状況にとどまり、7,8月の前期比は+0.1%に過ぎない。公共に見られるように、景気対策は打ち続けないと剥落していく。水準としては高いとは言え、輸出が鈍っていることもあり、水準を保ちたいところである。

(図)



(今日までの日経)
 現金給付、経済活性化遠く 各党が公約、貯蓄に滞留の懸念 成長呼ぶ「賢い支出」を。近づく円安容認の「限界」。中国経済、すくむ民需 7~9月4.9%成長に減速。中国の銀行、資本不足の影 地価、公的支援を左右。高速取引「消失」、市場の安定乱す。

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新しい資本主義の作り方

2021年10月17日 | 経済
 新自由主義の特徴が小さな政府、金融緩和、規制緩和だとすると、それを否定する「新しい資本主義」は、再分配、需要管理、持続性の回復となろうか。それにしては、「新しい資本主義実現会議」のメンバーに、社会保障の専門家はおらず、新しい産業を創造しようという経済界の方々ばかりである。「まずは成長」ということかもしれないが、分配が上手く行われないがゆえに、成長が滞るというのが現実である。

………
 「新しい資本主義」に必要なのは、勤労者皆保険と定額還付である。パートや零細の従業員は加入できずに国保国年だし、保険料と消費税は所得控除がなく、低所得者にきついため、同じ機能を果たす定額還付が不可欠だ。欧米では既に実現していて、日本だけが遅れている。欧米なら、あとは資本課税を強化すれば、「新しい資本主義」ができ上がるが、日本が求められるのは、得意だったはずのキャッチアップである。

 金融緩和は資産価格の高騰を招いて格差を広げたが、それには緊縮財政によるディス・インフレを必要とする。日本はアベノミクスの間に大幅に財政収支を改善したので、デフレ脱却が成らないのも当然だった。問題は、素知らぬ顔で、自然増収をすべて財政再建に充てる運営にあり、補正予算の剥落と相まって、景気回復期にブレーキがかかり過ぎ、成長が加速しないのである。

 高度成長の立役者である池田勇人は、大蔵省主税局の出身で、体感的に税収状況が分かり、財政の堰き止めを許さず、施策と減税で民間に還元し、成長を最大限に刺激した。宏池会を継ぐ岸田政権が見習うべきは、ここであろう。誰も指摘しないけれど、幸い、2021、22年度は、大幅な増収が予想される。これを活かし、持続性回復に向け、恒久的な再分配の制度を実現できるかがカギとなる。 

 規制緩和をすれば、投資が出てくるというのは、実物より金融の話で、持続性に問題がある。むしろ、環境にしろ、少子化にしろ、短期的な利益の収奪を制限して、再生産を維持することにより、長期的利益を最大化することが求められる。再分配をして社会の再生産を果たさなければ、財政どころか経済が破綻する。持続性の回復には、経済合理性があり、再分配は成長に必要なものである。

………
 消費回復には、将来不安の解消が必要と言われるが、非正規の女性は、もし、子供ができたら、収入なしで育児をしなければならない。これ以上の解消すべき不安があろうか。子供をあきらめ、老後を心配して貯蓄に励むなど不合理である。これまで、高齢化で医療・福祉は伸びても、人口減もあって生活サービスが減り、全体では極めて緩慢で、消費増税のたびに水準が落ちてきた。抽象論を排し、全体を成長させなければならない。

(図)



(今日までの日経)
 新興企業買収額、海外勢が過半に。日本の年収、30年横ばい 米は1.5倍に。トヨタ、来月生産15%減 長引く半導体不足。バイト時給最高更新、9月1102円 事務・介護がけん引。

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10/14の日経

2021年10月14日 | 今日の日経
 8月の機械受注は、民需(除く船電)が前月比-2.4%の減だった。非製造業が増、製造業が比較的大きめの減となったが、非製造業は横バイの範囲内、製造業は4か月連続で上げてきた反動もあるように思え、基調に変化があるとは見ていない。とは言え、自動車の半導体不足による生産停滞は一時的なものであるとしても、中国の成長の鈍化は、今後の景気の行方を考える上で気になるところだ。

(図)



(今日までの日経)
 衆院きょう解散 31日投開票。米景気、デルタ型が冷や水。首相、経済政策「まず成長」 代表質問、金融所得課税は優先せず。

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巨額経済対策のリアリズム

2021年10月10日 | 社会保障
 財務次官が「巨額経済対策は必要か」と述べて話題となっているけれど、結論から言うと、数十兆規模の経済対策は必要ない。それが本当に需要になるなら。もし、GDPの4~5%もの需要が一気に追加されたりすると、供給が追いつかなくて、経済は混乱をきたしかねない。むろん、実際の経済対策は、融資などを含んで膨れ上がっていて、そのまま需要になるわけではないから、心配は無用なのである。

………
 それでは、追加的に必要な需要はどのくらいか。消費増税後コロナ前の2019年10-12月期GDPと、直近の2021年4-6月期GDPを比較すると、-8兆円ほどだから、これが目安になる。そのうち、民間住宅が-1.2兆円、設備投資が-1.7兆円である。住宅は消費増税後の落ち込みから回復してきたし、設備投資も輸出の好調さから伸びが期待されるので、意外かもしれないが、政策的に引っ張り上げるまでもないように思う。

 問題は、8兆円も減ってしまった家計消費をどう埋めるかである。それに、政府消費がコロナの医療などで5.2兆円も増えているから、これを減らさない必要もある。その意味で、医療、介護、保育の公定価格を引き上げ、賃金水準を改善しようという岸田政権の方針は、理に適ったものだ。あとは、消費を埋める8兆円の給付を、いかに「低所得者」を対象に「定額」で行うかである。そうしないと、苦境を救い、消費に結びつけることができない。

 一つの方法は、厚生年金の加入者のうち低所得の人に対して還付をすることだ。徴収を代行する企業に還付を指示し、後で清算すれば良いから、迅速にできる。次に、非加入のパートの人などに対しては、企業に定額の臨時手当を出してもらい、その全額を補助してはどうか。そして、これらから漏れる低所得の人や働けていない人に対してのみ、申請に基づいて地方自治体から給付するのである。

 こうした方法を考えるのは、岸田政権が「勤労者皆保険」を目標にする以上、低所得でも無理なく厚生年金に加入できるよう、低所得での保険料の軽減措置を導入せざるを得ないと見るからである。そうでないと、実現はいつになるか分からない。したがって、軽減の原型となる形での経済対策が望ましい。いかに再分配の制度的インフラを整えるかに、新しい資本主義の正否はかかっている。

(図)


………
 財務次官は信念の人かなと思う。筆者は自信がないので、財政が破綻すると言われて数十年が経ち、兆しすらないことに、何が真実なのかと不安を覚えてしまう。少なくとも、日本の財政赤字はパッシブなもので、企業黒字があるうちは、現状が続くと考えられる。この構図を変えるには、企業が投資を増やして赤字になってもらわないとならないが、国内消費が伸びなければ、まるでインセンティブがない。それには、賃金を増やしても半分が税と保険料で抜かれる現状にあって、再分配が必要だ。このインフラの立案も官僚の役割に思える。


(今日までの日経)
 利益14兆円分に課税の網 デジタル企業など対象。TSMC・ソニー、熊本に工場 8000億円投資。給付金・賃上げ、分配前面 首相所信表明「改革」触れず。米、海中戦力で優位死守。東京・埼玉 震度5強。日本の迎撃網を無力に 北朝鮮ミサイル開発。経済教室・公的家賃補助の整備急げ。首相、地域・業種絞らず給付金。

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10/6の日経

2021年10月06日 | 今日の日経
 岸田内閣が発足し、再分配の具体化が急がれるところだが、8月までの国の税収は、好調に推移しており、既に移動累計は62.2兆円となって、過去最高だった2021年度60.8兆円を1.4兆円ほど上回る状況にある。今後、法人税が企業業績見通しの経常利益並みに伸び、所得税や消費税が経済見通しに準ずるとすれば、66.0兆円まで行くこととなる。それだけ恒久的な還元をする余地があり、そうしなければ、またぞろ緊縮財政になるわけである。

(図)



(今日までの日経)
 真鍋氏にノーベル物理学賞。岸田内閣発足 衆院選31日投開票。個人へ現金給付、経済対策の目玉。首相、金融所得課税の見直し検討。中国、冷え込む資金調達。


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スガノミクス・もう最終回

2021年10月03日 | 経済(主なもの)
 スガノミクス・シリーズは、約1年、わずか12本で終わりを迎える。次回からは、「キシノミクス」にでもなるのだろうか。振り返ると、昨年の秋は、感染の第2波が収まり、経済も回復を見せたときだった。景気ウォッチャーの現状(方向性)は、昨年10月がピークであり、その後は50を超えることは一度もなく、ついに、この8月には、第1次安倍、福田、麻生内閣の退陣時の水準を大きく下回る34.7をつけていたのだった。

………
 先週公表された8月の商業動態・小売業は、前月比-4.8と大きく落ち込んだ。98.8という水準は、最初の緊急事態宣言の後では最も低い。財の消費者物価指数は、今年1月から上がり続けており、累計で2.1にもなっているから、実質では、更に下がっている。オリンピックの金メダルで盛り上がっていても、消費はこのザマであるから、不人気が募り、退陣に至るのもむべなるかなである。

 ちなみに、サービスの物価については、コロナ下であり、政策的な携帯料金の引き下げとも相まって、低水準をさまよっているが、財に関しては、コロナ前を超える原油高と、今年に入ってからの円安水準への戻りを背景に、かなりの上昇を見せており、スガノミクスは「脱デフレ」に成功しているのである。むろん、こうした実質の消費を削って生活を苦しくする形での「功績」が国民に評価されるはずもないが。

 8月の鉱工業生産は、前月比-3.1と2か月連続での低下となった。半導体不足で生産が制約される自動車や輸送機械の落ちが大きい。その影響で資本財は下がり、建設財が若干の上昇、消費財については、耐久財が大きく下げ、非耐久財が小さく下げるという状況だ。生産予測では、9月は+0.2と若干の上げ、10月は+6.8の大きな戻しとなっていて、景気を牽引する基調に変化はなさそうだ。

 雇用については、8月の労働力調査は、前月比-17万人の減と、6,7月の増を失う形となって低い水準が続く。女性は底バイだが、男性は減少傾向が続き、コロナ禍での最低を下回る結果となった。新規求人倍率は、わずかながら、3か月連続での減となり、水準としても、コロナ禍の昨年の同月を若干上回る程度にとどまる。建設業や製造業が改善する中、当然ながら、卸小売業や飲食宿泊業は非常に弱い。

(図)


………
 菅政権の最大の失敗は、「マスクで会食」を推したことだと思う。最大のリスク行為と飲食業の両立を図ろうとして、どっちつかずとなった。明確に会食を抑制していれば、感染が拡大しても、国民の我慢が足りないからという構図になっただろう。他方、飲食業には、腹を括って一挙に協力金を出す状況になったはずだ。戦略の焦点がボケていたのである。いずれにせよ、政権も、コロナ禍も終わりつつある。次の焦点は、票田の中間層ではなく、政治に関心の薄い低所得層に、いかに再分配をかけるかになる。こちらもボケそうな感じだ。


(今日までの日経)
 岸田氏、対象絞り給付案 子育て世帯や企業支援。再開景気、供給制約が重荷 日銀短観。新首相よりGPIFと円安が話題、NY市場の反応。自民総裁に岸田氏。「隠れた対中債務」43兆円。

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