裏金も、税優遇も…横行する政治家の「迂回寄付」 規制進まぬ理由
毎日新聞
2024/5/27 05:01(最終更新 5/27 05:01)
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これも「法の抜け道」なのか――。自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件に絡み、菅家(かんけ)一郎元副復興相が安倍派の「裏金」を原資に、自身が当時代表を務めていた党支部に寄付し、税控除を受けた疑いが浮上した。さらに、支部から菅家氏や後援会に資金が支出されていたことも判明。政治家が政党支部を「迂回(うかい)」して寄付し、利益を得る行為は過去にも批判を浴びたが、法規制が及んでいない。
「国民の政治参加推進」のはずが
個人が政党や政党支部などに寄付した場合、所得税が控除される仕組みは「政党等寄付金特別控除」制度と呼ばれ、租税特別措置法に基づき1995年1月に導入された。財務省によると、政党などへの個人献金を促し、国民の政治参加を推し進める目的があったという。
国会で問題になってきたのが、控除を受けられる条件だ。租税特別措置法では「寄付をした者に特別の利益が及ぶ」場合には優遇措置を受けられないと規定。政治家が自ら代表を務める政党支部へ寄付した場合に「特別の利益」となるかが問われてきた。
2019年4月の参院政治倫理・選挙制度特別委員会で、当時の宮島喜文・財務政務官は「特別の利益」に当たるケースとして、政治家が自己の後援会に対してする寄付▽政治家が相互に相手の後援会に対して寄付し合う場合、その政治家の寄付▽寄付の見返りとしてその政治団体が有する施設等を排他的に利用することができるようになる場合などの寄付――などと例示。ただ、政治家が自ら代表を務める政党支部への寄付については言及しなかった。
野党は批判、財務省の言い分は
これに対し、野党側は「政党支部と深い関わりがあり、特別な利益を得る可能性があるのは支部長たる国会議員だ。…
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