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毎年12月に京都市で開催される全国高校駅伝競走大会(都大路)を中心とした高校駅伝に関するニュースサイトです

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女子・秋田北鷹48位 粘り力走 男子・金足農は58位 /秋田

女子の48位でフィニッシュする秋田北鷹の秋本亜湖=たけびしスタジアム京都で2024年12月22日、滝川大貴撮影 拡大
女子の48位でフィニッシュする秋田北鷹の秋本亜湖=たけびしスタジアム京都で2024年12月22日、滝川大貴撮影

 京都・都大路で22日開かれた男子第75回、女子第36回全国高校駅伝競走大会(毎日新聞社など主催、SGホールディングス特別協賛)。東北勢の女子は仙台育英(宮城)が3年連続2位となり、青森山田が入賞まであと一歩の9位、学法石川(福島)18位▽東北(東北地区代表)35位▽花巻東(岩手)47位▽秋田北鷹48位▽山形城北50位――と続いた。男子は仙台育英が優勝争いを演じ3位に入り、学法石川が5位入賞。東北地区代表の東北も12位と健闘し、青森山田は昨年より四つ順位を上げ14位、一関学院(岩手)も出場した一昨年より七つ上げ24位だった。酒田南(山形)は41位、金足農(秋田)は58位だった。【百武信幸】

女子

 仙台育英は過去2度、アンカー勝負に敗れ雪辱を期して臨んだが、またしても優勝はかなわなかった。

 1区の長岡みさき(3年)は先頭集団でライバル校をマークしつつ仕掛けどころを狙い、ラストの上り坂で全力を出し尽くし3番手でたすきを渡した。2区の渡辺光桃(こと)(2年)は本来の走りができず差が生じたが、3区のデイシー・ジェロップ(3年)が6人抜きで3位に浮上し、手塚蕾(つぼみ)(2年)が4区区間賞の走りでアンカーへ託した。

 細川あおい(3年)は攻めの走りで残り1キロで薫英女学院(大阪)をとらえると、そのまま諦めずに先頭の長野東を見据えて迫ったが、その背中は遠かった。18秒差の2位でフィニッシュした細川は泣き崩れて立ち上がれなかった。

 釜石慶太監督は選手らに「8年連続3位以内は誇れること。優勝を逃した結果は結果として受け止め『あと一歩』に迫り続けた経験を力に変え、胸を張って先輩が築いた伝統を引き継いでいこう」と語りかけた。取材には、後半区間の粘りをたたえつつ「これが駅伝の難しさ」と話した。

女子の35位でフィニッシュする東北の横山香里奈=たけびしスタジアム京都で2024年12月22日、滝川大貴撮影 拡大
女子の35位でフィニッシュする東北の横山香里奈=たけびしスタジアム京都で2024年12月22日、滝川大貴撮影

 青森山田は3区のルーシー・ドゥータ(3年)が区間新記録の走りで一時は6位まで浮上。地区代表枠で21年ぶり出場の東北は男乕(おのとら)結衣(1年)が本調子の走りではなかったが20位でつなぎ、粘って35位。花巻東は4区の橋端仁惟奈(にいな)(3年)が3人抜きで47位に。秋田北鷹は中村咲愛(さくら)(同)が一時順位を上げる力走をみせた。山形城北は浪波(なみわ)琳(2年)ら1、2年生がたすきをつないだ。

男子

男子の58位でフィニッシュする金足農の中山翔太=たけびしスタジアム京都で2024年12月22日、小関勉撮影 拡大
男子の58位でフィニッシュする金足農の中山翔太=たけびしスタジアム京都で2024年12月22日、小関勉撮影

 仙台育英は4区で一時先頭に立つなど中盤に好走し、昨年の8位入賞を大きく上回った。

 1区の近江亮(2年)は上位争いしていた後半、他の選手と接触し、転倒。踏ん張った拍子に靴ひもがちぎれ「靴が脱げそうでスピードを上げられず流れを作れなかった」と悔しがった。

 2区のエリウッド・カヒガ(3年)は下り坂で9人抜きで5位に浮上させ、3区の鈴木大翔(ひろと)(2年)が区間2位でつなぎ、4区の菅野元太(同)が中継所前の猛烈なラストスパートでトップに。しかし5区で佐久長聖(長野)、大牟田(福岡)に先頭を譲ると、そのまま競り合ってペースを上げる2校に離された。

 千葉裕司監督は意地を見せた選手らを「よく頑張った」とねぎらい「去年は8位で平然としていた選手が今年は3位で『悔しい』と泣き、成長を感じる。来年は常に先頭に立ち優勝する」と語った。

男子の12位でフィニッシュする東北の原田大翔=たけびしスタジアム京都で2024年12月22日、小関勉撮影 拡大
男子の12位でフィニッシュする東北の原田大翔=たけびしスタジアム京都で2024年12月22日、小関勉撮影

 東北は1区のエース前川竜之将(3年)が「1ケタ順位」の目標に応える7位でつなぎ、2区の川端樹(同)も一つ順位を上げ6位に。3区の及川颯太(はやた)(2年)も好走して一時は仙台育英、学法石川と並走するなど、東北勢の存在感を示した。

 青森山田はアンカーの田中翔(3年)が一つ順位を上げ、一関学院は森松彩夢(あゆむ)(2年)がエース区間の1区で11位と力を発揮。酒田南は4区で後藤颯星(はやせ)(同)が区間7位、7人抜きの激走をみせた。56年ぶり出場の金足農は3年生から下級生へ、途切れさせることなくたすきリレーを果たした。

最初で最後、感謝

 ○…仙台育英の主将、森尻悠翔(はると、3年)はフィニッシュラインまで全力で走り切ると、目頭を押さえた。「追いつけなくて悔しくて、3年間思っていたような陸上人生を歩めなくて、もう終わりなんだな、と」。最初で最後の都大路。フィニッシュの先に、走れなかった仲間が待っていた。込み上げたのは感謝の涙でもあった。

 1、2年主体のチームで早くも「来年の大本命」との呼び声が高まる中、腐らずチームをまとめてきた。10月の県予選直前には下級生に気の緩みが生じて千葉裕司監督の雷が落ちた。「できることを何でもやろう」と声をかけ合い、3年生がサポート役に徹した。

 千葉監督からは「3年生でも記念では走らせないぞ。力が同じなら下級生を選ぶ」と言われていた。諦めず調子を上げ、実力でアンカーの座を勝ち取った。

 フィニッシュ後、監督に「よくやった。次がある」と背中をたたかれた。「大学でも続ける自分へのエール」でもあり「優勝の夢は後輩が引き継いだぞ」という意味だと受け止めた。

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