用意した42席を上回る64人の求職者が来場し、入り口の外まで人が溢れる盛況ぶりだった。「ここまで集まるとは予想していなかった」。専門援助第三部門の新井幸郎・統括職業指導官は驚きを隠さなかった。 会場には若い男性の姿も目につく。その中の1人、今年26歳になる元正社員の男性は昨年末、勤め先の旅行会社を業績不振を理由に解雇された。「介護の仕事はいくらでもある。資格さえ取れば安定した職業だと思って来た」と男性は語った。 「介護人気」は都の職業訓練施設でも同様だ。東京都立中央・城北職業能力開発センターでは、女性に交じって失業中の男性が介護を学ぶ。1月15日に開かれた見学会では、物流企業の元期間職員の男性(46歳)が恐る恐る車いすを押していた。彼は3カ月の雇用契約を更新しながら16年働いてきたが、昨年11月に契約を打ち切られた。 背景には慢性的な人手不足 失業者が介護職に向かう背景には、介護業界の慢性