【台北=矢板明夫】台湾の統一地方選挙が26日に投票される。2024年1月に行われる次期総統選挙の前哨戦と位置づけられている。投票前の最後の日曜日となった20日、与野党は各地で大規模集会を開き、支持を訴えた。台湾メディアが行った世論調査では、景気低迷や物価高騰への不満から与党・民主進歩党の候補が各地で苦戦を強いられている。優勢と伝えられる最大野党、中国国民党は親中的な政党とされており、地方選の結果は対中政策に影響を及ぼす可能性がある。 「地方選の結果は、台湾の未来の進路に大きな影響を与える。私たちは『台湾人民は自由と民主主義を支持している』というメッセージを全世界に伝えねばならない」。蔡英文総統は20日夜、台湾の最大都市、新北市で民進党の市長候補を支持する集会に参加し、このように訴えた。 蔡政権はここ数年、欧米や日本などとの関係を強化し、中国の統一攻勢にひるまずに対決姿勢を貫いてきた。これに