東日本大震災の発生から5カ月半が経過した。いまだ電気や水道といったライフラインの復旧が遅れている地域がある。一方で、今や子供からお年寄りまで普及した携帯電話は、すでに各社が「ほぼ復旧した」と発表している。だが、実際に被災地へ足を運んで取材すると、一部の被災地では「『圏外』になって電池の消耗が激しい」「電波が入らないので外部との連絡手段がない」など、震災の影響で電波の”谷間”が残っていることが明らかになった。(鎌田剛) 震災は携帯各社のインフラに大きな打撃を与えた。NTTドコモ東北支社によると、震災翌日の3月12日、約4900の無線局が停止。auのKDDIは同日、3680局、ソフトバンクは3786局に影響が出た。その後、津波で流出した無線局に衛星回線を利用した簡易無線局を設置するなどして、ドコモは202局(8月18日現在)が復旧しておらず、auとソフトバンクは震災前とほぼ同等の状態になったと