当連載の125回、『新福岡空港にみる財界人の駄目さ加減』で、わたしは福岡空港の移転を目論む勢力を批判した。皆さんもご存じのことと思うが、わたしはおよそ日本の公共事業を褒めることはない。公共事業、わけても土木と名のつくものはほぼ例外なく、財界と一部政治家・官僚を潤して終わりだからである。 念のため書いておくが、わたしは必ずしも財界が(あるいは政治家・官僚が)潤おうことをとがめるのではない。地元の人々に、ひいては国民に利益が還元されないまま、財界「だけ」が潤うことを批判するのだ。しかも新福岡空港に関しては東アジアのハブとなる千載一遇のチャンスを逃すことにつながる。相応の妥当性があり、それなりの経済効果が見込める公共工事ならば積極的に応援することだってやぶさかではない。 超特急構想『リニア新幹線』は、わたしも支持する数少ない“公共事業”の一つだ。日本でのリニア新幹線の開発研究は、1960年代