第306回:国内外の動きの補足(現行出版権の対象拡大による電子出版のカバー、ハーグ条約加盟と画像デザインの保護拡充、子供のインターネット利用に関するドイツ最高裁の判決) そこまで大きな動きがある訳ではないが、前回かなりあっさり書いてしまったことについて少し補足の説明をしておきたいと思う。 (1)現行出版権の対象拡大による電子出版のカバー(著作権法改正関係) 1月9日に共同通信がその記事で、現行の出版権の対象を広げて電子書籍を含める方針を文化庁が固めたと報道しており、1月16日には自民党の文部科学部会で文化庁が「電子書籍に対応した出版権の整備について」という項目で説明を行っている(自民党会議情報参照)。実際の法案の条文を見るまでは何とも言えないところもあるが、文化庁が出版業界のロビー活動に負け、紙の出版権と電子出版権の一体的取り扱いを原則とする法改正案を提出しようとしている可能性は高いと見て