現在の国立競技場はすでに取り壊しが始まっている。2020年の東京オリンピックのメイン会場となる新国立競技場の建設計画をめぐって、コンペに当選したデザインがそのまま建たないなど、混乱が起きている。こうした問題はなぜ起こったのか。
東大で大学院生にプロジェクト・マネジメントを教えていたら、「自分は計画を立てるのが元々あまり上手ではないが、どうしたらいいでしょうか」という質問を受けた。プロジェクト計画の立案、とくにその中心になるWBSの作り方について説明し、二人一組でちょっとした演習をした後のことだ。WBSを作るだけなら誰にでもできるが、良いWBSを作るのは、案外難しい--そういう話をしたら、出てきた質問だった。 秀才タイプの人は、自分の弱点を人前にさらすのをきらう。だから逆に、この率直な質問には好感がもてた。わたしは学生にこう聞いてみた。 --失礼だけど、あなたは英語の会話は得意ですか? 相手はちょっと質問の論点から外れたことに戸惑ったようだが、答えた。 「えっと・・、いや、苦手です。」 --じゃあ、得意になるためにはどうしたらいいと思いますか。 「うーんと。やっぱりたくさん練習するしかない、ですか?」 --そう。そ
これまで4回にわたって成長戦略について論じてきた。それは「成長戦略はいかにあるべきか」という「戦略の内容」についての議論であった。最後に、「成長戦略をどう策定すべきか」という「戦略の作り方」について述べてみたい。 「作り方」の話は多くの読者にとってあまり面白くないかもしれない。しかし私は大変重要だと思う。「作り方」によって「内容」や「その後の実行」が変わってくるからだ。 「日本再生戦略」ができるまで 政府は7月31日に「日本再生戦略」を閣議決定した。ここに至るプロセスを再確認しておこう。これは「有識者による検討」→「国家戦略会議での決定」→「閣議決定」というプロセスだと考えれば分かりやすい。 成長戦略を作るのは「国家戦略会議」である。この会議は民主党政権発足後にできたもので「新時代の中長期的な国家ビジョンの構想を行う」のが任務とされている。構成メンバーは、総理大臣、関係閣僚、関係機関の長、
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