新しい座椅子だよといわれると、なんとなく納得してしまいそうだが、実際に製品を使ってみると、その存在理由というか、インテリアとしての在り方が座椅子とは思えなくなる。座ってみると、意外にも椅子として快適で、だらだらしたり、ローテーブルと組み合わせてPC操作したりといった、まるで仕事用の椅子のような使い勝手の良さがある。 こういう椅子は、たぶん今までになかったと思う。考えてみれば「フロアチェア」なんてカテゴリは、世界中探してもないのではないか。デザインも、未来的なような懐かしいような不思議な形で、しかも、結構、フローリングにも畳にも似合ってしまう。 考えるほどに変わった製品なので、これは話を聞いてみるしかないと、この物体をデザインしたデザイナーの橋田規子氏と、製造販売元である岩谷マテリアルのホームプロダクツ本部ライフデザイン課主任の安部智惠氏を訊ねた。橋田氏は、TOTOで水廻り設備のデザインに携