昔から,カラスについて書いた本を見ると,つい手にとって読みたくなる。以前にも『カラスはいかに賢いか』(唐沢孝一)という本を読んだが,これがまた面白かった。 カラスは頭がいいことは誰でも知っていると思う。車の通り道にクルミを置いて,車に殻を割らせて中身を食べているカラスは全国各地にいる。貯食といって食べ物をあちこちに隠すのだが,その際,隠した場所を100箇所くらい覚えているばかりでなく,腐りやすい物をどこに隠したか,腐りにくいエサはどこに隠したのかもしっかりと記憶しているらしい。冷蔵庫の中に何を入れたか忘れて食べ物を腐らせる私よりは,よほどしっかりとしているのである。 しかもカラスは遊ぶのである。野生の動物と言うとエサをとることに一生懸命のはずなのに,こいつらは余裕たっぷりに遊んでいるのだ。電線に留まっているカラスがいきなりくるっと回って鉄棒の大車輪のようにしたり,滑り台を背中で滑ったり頭を