昨今増加が進んでいる熟年離婚について、脳科学の分野から研究を進めていた千葉電波大学理学部の研究チームがその一因としての可能性を持つ科学的な研究成果を得たと発表した。論文は英科学誌「フェノメノン」11月特大号に掲載される。 熟年離婚問題に取り組む厚生労働省では、その主な原因として、「子どもの自立と夫の退職を契機に、妻の側から離婚を申し出る事例が多い」との見解を明らかにしている。2007年に行われた年金制度の変更と団塊世代の大規模退職が影響したこともあり、中高年による離婚相談件数は今もなお上昇の一途をたどっている。 千葉電波大の研究チームでは、熟年離婚件数全体の約2割が夫側からの申し出によることに注目。厚生年金や退職金の一部を妻に支払ってまで離婚を決断するという、非合理的な決断のメカニズムについて科学の観点からアプローチを試みた。 研究チームでは今にも熟年離婚しそうな60代前後の男性被験者30