日本経済が絶頂期に向かいつつあった80年代半ば、ひとつの「事件」が列島に激震をもたらした。 ――警察庁広域重要指定114号事件、通称「グリコ・森永事件」―― 1984年3月18日の江崎勝久・江崎グリコ社長誘拐に端を発する同事件では、「かい人21面相」を名乗る犯行グループが食品会社6社を次々に脅迫。「どくいり きけん たべたら しぬで」との脅し文句とともに、青酸ソーダ入り菓子をばら撒くという手口で国民をパニックに陥らせ、被害企業は株価暴落など経営に大きな打撃を受けた。 一方で犯行グループは「けいさつのうそはごう盗のはじまり」「あほあほと ゆわれてためいき おまわりさん」など、警察を揶揄する〝挑戦状〟をマスコミ各社に送付。凶悪犯であると知りつつも、どこか憎めない軽妙さを伴った彼らの一挙手一投足に、国民の目は釘づけとなった。 しかし一連の事件は突如として幕を下ろす。1985年8月12日、かい人2
2003年、全国で初めて「教師によるいじめ」と認定される体罰事件が福岡で起きた。ひとりの教師が担任の児童を執拗に苛め続けて、「早く死ね、自分で死ね」自殺を強要し、その子供はPTSDによる長期入院に追い込まれてしまった……。 この報道がなされると、雑誌やテレビでは鬼か悪魔かというくらいの勢いで「殺人教師」について大きく特集を割いた。両親、特に母親からの訴えは、息子を守ろうとする必死さに溢れ、学校、教育委員会とも非を認め教師に謝罪させている。 でもそれは、クレーマーな親による「でっちあげ」であったのだ。冤罪であると同時に凄まじい濡れ衣だった。そもそも結局誰も死んでないのに「殺人教師」と名付けることがすごい。モンスターペアレントという言葉がまだない頃の事件である。 事件のあらましはこうだ。被害を受けたとされる4年生の児童、浅川裕二(仮名)の母親、浅川和子(仮名)は、この川上譲教諭(仮名)が、20
ギリシャ文字などを無作為に打ち込んだ1冊6万4800円(税込み)のシリーズ本が、国立国会図書館に78巻納本された。納本された本の定価の一部などを発行者に支払う仕組みがあるため、すでに42冊分の136万円余が発行者側に支払われている。納本は法律で義務づけられているが、ネットでは疑問の声が上がり、同館も支払いが適正だったのか調査を始めた。 問題の本は、りすの書房(東京都墨田区)が発売した「亞書(あしょ)」。同社によると2月にネット書店「アマゾン」で販売を開始。112巻まで作成し、最終的には132巻まで出す予定という。A5サイズで480ページのハードカバー。各ページとも縦12センチ、横9センチの枠内にギリシャ文字やローマ字が並び、ページ数は振られておらず、全く同じ内容のページもある。国会図書館へは3月ごろから10月にかけて78巻までが1部ずつ納本された。 同館は納本された本の定価の5割と送料を「
2000年に北海道恵庭市で起こった女性の殺人事件をご記憶だろうか。 同年3月17日、農道で女性の焼死体が発見される。死因は首を絞められたための窒息死とされ、死後に焼かれたものだった。被害者は通運会社に務める当時24歳のOLだったが、容疑者として逮捕されたのが被害者の同僚で29歳の女性だったことで、当時マスコミでも大きく報じられたものだ。 被告女性には既に懲役16年の刑が確定しているが一貫して無罪を主張、再審を請求していたが今年4月21日にそれは棄却されている。 だが、この事件は発生当初から冤罪が根強く囁かれているいわくつきの事件だった。 そんな中、真犯人を示唆したとも思われる衝撃の書が存在する。それが被告の弁護人である伊東秀子の著『恵庭OL殺人事件 こうして「犯人」は作られた』(日本評論社)だ。そこから浮き彫りにされる真犯人像とは!? 本書によると、警察は会社内部の犯行を疑い加害者女性を「
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