NHK経営委員会の古森重隆委員長(富士フイルムホールディングス社長)が11日にあった経営委員会で、海外向けの国際放送では「利害が対立する問題については日本の国益を主張すべきだ。国際放送をただ強化するだけでなく一歩踏み出せ」と、NHK執行部に話していたことが関係者の証言などでわかった。25日の経営委で改めて審議されるが、公共放送の中立性に踏み込んだともいえる発言は議論を呼びそうだ。 4月施行の放送法改正でテレビとラジオの国際放送が外国人向けと邦人向けに分類されるのに伴い、NHKの国際番組基準の一部変更が経営委員会で審議された。執行部からは「国際連合憲章の精神を尊重」とあった一般基準を「日本国憲法および国際連合憲章の精神を尊重」などと改定する提案があった。 関係者の話や記録によると、古森委員長は「国連憲章には日本などを対象とした敵国条項が入っている。国連憲章の部分については一般的な言葉に変