少し前の日経エレクトロニクス(2・28号)にソニーの Cell チップに関しての久多良木氏のインタビューが載っていたが、そこに興味深い発言を見つけた。 日経エレ Cell に内蔵される「SPE」といわれるCPUコアは8個ですが、この数の根拠は何でしょうか。 久多良木氏 「2のべき乗だから」、この一言に尽きる。これは美学です。コンピュータの世界においては、2のべき乗が大原則になっています。それ以外にはあり得ない。実は開発の途中で、米国のホテルで、それこそ徹夜状態で侃々諤々(かんかんがくがく)の議論を展開したことがあります。IBM社のチームも、6個にしようと提案してきた。でも僕の答えは単純、「2のべき乗」。この美学にこだわった結果、チップ寸法が221平方ミリになってしまった。この大きさは、半導体を作る立場からは好ましくない。なぜなら1ショットで露光できる面積を考慮すれば185平方ミリよりも小さ