水産庁が「魚の原産地表示」を明確にすることを関係自治体に通知した。海には地域ごとの境界線がなく、これまで多くの海産物が、漁場ではなく水揚げされた漁港の所在地を基準に産地を表示していた。今回、福島第1原子力発電所事故の影響で高まる消費者の不安に応える形で、海産物の“産地表示”の厳格化を要請した格好だが、漁業関係者の反応は鈍い。 漁業者は県境を越えて操業することも多く、これまで海産物の産地の表示は、「福島沖」「北太平洋沖」など漁を行った水域で表示するほか、水揚げした漁港名を表記することも認められていた。 例えば、福島沖で獲れたサンマも、銚子港に水揚げすれば「千葉県産」と表示できるなど、どの水域の魚かはわからない。消費者の不安はつきなかった。 そこで同庁は、沿岸で獲れる魚を「◯◯県沖」とし、マグロやカツオ、サバなどの回遊魚については、東日本の沿岸200カイリ(約370キロ)までを「北海道・