それは、3月20日のことだった。アルゼンチン代表監督のディエゴ・マラドーナが、世界最高の選手とひざを突き合わせるため、マドリーからバルセロナに到着した。ワールドカップ(W杯)での役割、そしてしばしば頻発する話題――スーパークラック(名手)が南アフリカで果たして、バルセロナで日ごろ見せているのと同等、あるいはそれに近いプレーができるのかを確認するのが目的だ。相手はもちろん、リオネル・メッシである。 個人面談の直前、メッシはリーガ・エスパニョーラとチャンピオンズリーグ(CL)で信じ難いプレーを連発していた。14日のバレンシア戦でハットトリック、17日のCL準々決勝第2戦のシュツットガルト戦でも2ゴール(4月6日には、CL準決勝第2戦でアーセナル相手に4ゴールを決めた)。ちなみに、ハットトリックを決めた時にメッシが試合球を記念に持ち帰るのは、ほぼ恒例行事となっている。 ほとんどのヨーロッパメ