またしても大波乱である。6月23日にイギリスで実施されたEU離脱の国民投票に続き、米国大統領選もまた大方の予想を覆す結果となった。 ただ、筆者にとっては、トランプ氏の大健闘を称えるというよりも、アメリカにはクリントン女史を心底嫌っている人がかなり存在したという事実に驚きを隠せない。 「リベラルな富裕層」の代表的な存在であるクリントン女史の不人気は、リーマンショック後の米国の格差の深刻さ、それにともなう階層断絶の深刻さを浮き彫りにしたのではなかろうか。 加えて、メディアの情報はバイアスだらけで、如何に信用できないものであるかも明らかになった。さらにいえば、インターネット社会の特徴なのか、新聞等の旧来型メディアが世論を誘導する力も大きく低下していることがはっきりした。 今回の大統領選は、「マスメディアの敗北」でもあるのではなかろうか。 マーケットは完全に「リスクオフ」 さて、今回の大統領選の開
気まぐれな選挙の神様 今回のアメリカ大統領選は「世紀の番狂わせ」となり、悪評が高かったトランプ氏が勝利した。 本稿執筆時点(11月14日)では、まだ未確定の選挙人が20人いるようだが、トランプ氏の獲得した選挙人の数が290名、クリントン氏が228名なので、逆転はないようだ。 だが、得票数をみてみると、トランプ氏が6035万241票であったのに対し、クリントン氏は6098万1118票で、クリントン氏が上回っている(AP通信調べ)。 つまり、今回の大統領選はやはり大接戦で、「選挙人制度」のマジックが偶然、トランプ氏有利に傾いた可能性が高い。 ちょっとした「ズレ」でクリントン氏が勝利していた可能性もあるわけで、クリントン氏を支援してきた人々がデモを起こしたくなる気持ちもわからなくもない。 米国では、世論調査をもとにはじき出した主要メディアの選挙予測がことごとく外れたことが問題になっている一方、イ
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