読む暴力。セックス&バイオレンス描写の破壊力のみならず、そのコンテンツを嗜む人を狙い撃つ悪意という名の善意が残酷すぎる。歴戦のエロゲーマーにトドメを刺すのが、これだ。 記憶喪失の主人公が目覚めたのは、12人の少女が生活する学校。お約束のハーレム世界、閉鎖空間、そいつをぶち壊すサイコパス。女を蕩かす催淫剤、連続陵辱スプラッタ、純愛、そしておもらし。文字通り読み手(=プレイヤー)を引き込み、問いを突きつけ、自分がやっている行為を無理やり見せ付けてくれる。読み手を、物語の消費者とさせてくれない危険な小説(注意:読者は安全圏でない)。 物語の役割は、現実のシミュレートだ。どんなに珍奇でありえない世界であろうとも、そこで展開される対話や行動は、読み手とつながっている。人が一切登場せず、たとえ非生物であったとしても、物語を受け取る人は、そこに自分を見ようとする。好悪や否定も含め、現実と比較しようとする