メディア戦略家・境治さんの「このままでは日本のコンテンツ産業もガラパゴス化してしまう」を読んだ。境さんにお目にかかるとこういったテーマで意見交換することも多く、「国内市場がシュリンクする中で映像コンテンツは海外展開しないとマズいんじゃない?」という主張には同意する。一方、私自身がここ数年、日本のテレビ番組海外展開の歴史的経緯を調査していることもあって感じるのは、日本のコンテンツのガラパゴス化は決して新しい問題でも想定外の状況でもなく、国際流通力が弱い内容にせよ、売り方にせよ、当然の帰結なのではないかということである。以下、日本の代表的な映像コンテンツであるテレビドラマを中心に記す。 日本のテレビ番組が初めて海外に販売されたのは、記録を調べた限りでは1960年である。その当時、草創期にあった日本のテレビ関係者は自分たちの作った番組が海外で(特に欧米で)どのような評価を受けるか非常に興味があり