中国農業科学院の「植物工場」で発光ダイオード(LED)の赤や青のライトで照らされたトマトのつるを調べているのは、農業環境可持続発展研究所の楊其長所長だ。最低限のエネルギーで、可視光スペクトルのどの部分が植物の光合成と成長に最適なのか検証している。 楊所長は「農薬も不要で、化学肥料を減らした安全な食品を生産できる」と話す。数十年にわたり10億人を超える国民の所得拡大を中国指導部は最優先課題としてきたが、「垂直農法」がこれを変えるかもしれない。農業科学院の植物工場は北京のコンクリートジャングルの真ん中にある。