京大などの研究グループは、膀胱の体内時計が排尿のリズムを制御し、尿をためる量を変化させていることを発見した。体内時計の働きが、子どものおねしょや高齢者の夜間頻尿などの治療・研究のカギになる可能性がある。研究成果は、科学誌「ネイチャー・コミュニケーションズ」に掲載された。 生物の体内時計は、個々の臓器の体内時計で刻まれるリズムが脳内で統合されると考えられているが、各臓器の体内時計の役割については、一部を除いて解明されていない。 研究グループは、ろ紙と特殊な機械を使ってマウスの排尿量を調べた。マウスは昼間に睡眠や休息を取って、夜に活動する。睡眠・休息中のマウスの排尿回数は人間と同様に少なく、大量の尿を膀胱内にためる一方、活動中のマウスは頻繁に少量を排尿していた。 体内時計の構成要素の「時計遺伝子」のリズムは、マウスの膀胱を切除し、睡眠や覚醒の影響がない状態で培養皿に置いても保たれたが、時計