大学入試共通テストで、国語と数学における記述式問題の導入が見送られた。AIやPCを活用する手法も検討されていたが、不具合が多く、人海戦術に頼らざるを得なかったことも断念の理由の一つとなった。 〈大学入学共通テストにおける英語民間試験活用の「延期」発表から約1カ月半。萩生田光一文部科学相は17日、国語・数学の記述式問題導入の見送りを発表した。大学入試や高校・大学教育改革の先駆けとして2021年1月に実施される共通テストの在り方そのものが問われる事態となっている〉 人海戦術の破綻 「私が、『大学入試改革のかたち』を議論する高大接続システム改革会議(文科省設置、15年春~16年春)の委員をしていた当時、国語をはじめ、記述式問題についてはまず答案を機械に読み取らせてクラスタ(集団)に分けた後、人間が採点する――といった手法も検討されていました。これならば、共通テストの受験生の総数である約50万種類