企業が転勤制度を見直し始めている。AIG損害保険は転勤が多い保険業界では珍しく原則廃止した。カゴメやキリンビールは転勤を事前に回避できたり、希望地域で働けたりする仕組みを導入した。転勤を経験する人は年60万人に上る。親の介護や育児と仕事との両立を迫られる現代の会社員にとって転勤の負担は重くなっている。不公平感を生まずに人材をつなぎ留めようと企業側は試行錯誤だ。AIGは1月、会社都合による転勤を
子育てや介護などを理由に引っ越しを伴う転勤を受け入れられず、仕事をやめてしまう「転勤離職」が相次ぐ中で、厚生労働省は転勤制度を見直す際の考え方やポイントを示したガイドラインの活用を呼びかけています。 こうした中、厚生労働省はおととし転勤制度を見直す際の考え方やポイントを示したガイドラインを作成し、企業に活用を呼びかけています。 この中では転勤の目的や効果を改めて検証し、人材育成などについても転勤以外の方法はないか検討することが有効だとしています。 そのうえで、定期的な面談などで社員の意向や家庭の事情を把握したり、転勤の回数や赴任期間を明確化するためにその目安を社内で共有することも考えられるとしています。 また、転勤が決まった場合には時間的な余裕を持って社員に伝えることが重要だとしています。 転勤制度をめぐっては、一部の企業に引っ越しを伴う転勤を原則廃止にしたり、転勤を一時的に猶予できる制度
自身が運営するブログ『傘をひらいて、空を』で「伝聞と嘘とほんとうの話」を織り交ぜたエントリーを長年投稿し続けている槙野さやかさん。 淡々と、登場人物の心境を表現する槙野さんの記事は、読み手が共感してしまうシーンも多数。また、家族や恋人、友人との日常生活での出来事を描くものもあれば、職場の人間関係における感情の変化を表現したものもあり、そのジャンルはさまざま。それぞれが独立した物語として、成立しています。 今回『りっすん』では、「働くこと」をテーマに、槙野さやかさんに新たな「伝聞と嘘とほんとうの話」を書いていただきました。 * * * 当然のことではありますが、と上司が言った。わたしはいつも持ち歩いているメモとペンを取り出した。指につめたい汗が湧いた。どうやって人に変に見られないようにそれを拭うか一秒で検討し、左手にメモを持ち替えて裾を直すふりをした。周囲をそっとうかがった。もちろん誰もメモ
本稿において、まず日本企業の人材育成、管理職登用に見られる男女格差を概観する。続いて、雇用均等推進策、女性の継続就業支援策、非正規労働待遇改善策、働き方改革の4つの政策とその影響の間にどのような関係があるか、簡単なゲーム理論を用いて解説を行う。その上で、働き方改革や女性の活躍支援策を進める上で、どのような点に配慮しなければいけないか、人事経済学の視点からいくつかの課題を提示する。具体的には、(1)長時間労働や転勤に対するリターンが高いこと、(2)性別職域分離が存在すること、(3)女性への業務配分や能力評価にバイアスが存在しうること、(4)働き方の柔軟性および管理職からの支援が不足していること、(5)遅い昇進が出産に対するペナルティを引き起こしていること、などが男女格差を助長している可能性を指摘する。
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出勤の不安定さとその対策 働くママと一緒に仕事をする際に、まず頭に入れて置くべき点がある。 それは、出勤が不安定ということだ。 子供は常に体調を崩すと覚悟した 私自身には子供がいない。 なので、子供があんなにも熱を出すとは知らなかった。 子供が体調を崩す理由は山ほどある。 インフルエンザに食中毒。季節の変わり目。 溶連菌という言葉はこの時初めて聞いた。 メンバー2人ともが突然休み、一人でぽつんと呆然と始業時間を迎えたこともある。 対策は、スマホで この問題には対応方法があった。 メンバーが私たち3人のLINEのグループを作ってくれたのだ。 子供の具合が悪くなると、休日でも夜でもその段階で「長男、発熱中」などとLINEに書き込んでくれた。 朝になって突然子供の具合が悪くなったときは、朝の5時や6時の早い時点でそのことを知らせてくれた。 出社の状況が早い段階で分かると、仕事の調整が余裕を持って
はたらく女性の深呼吸マガジン『りっすん』では、女性が普段の仕事や生活で感じるさまざまな思い――楽しさも苦しさも、“考え事”も“もやもや”も――について、もっと誰かと気軽に話し合えるような土壌を整えていきたいと考えています。今回お話を伺ったのは、ブログ「kobeniの日記」や主にワーキングマザーをテーマとした寄稿で活躍するkobeniさんです。 「ワーキングマザー」という属性に焦点が当たりがちなkobeniさんに、このインタビューではkobeniさんの仕事への考え方、ブログで「働く女性」に関する発信をするきっかけについて伺うことにしました。kobeniさんが思いを発信するようになっていった経緯とは? 「女性がずっと働いていくのは難しい」注意深く生きなければ、と思っていた kobeniさんのこれまでの経歴について教えてください。 30代後半で、新卒のときに入った広告関連の会社に10年以上ずっと
女性に対して酷いとか企業の甘えだみたいなのがブコメでもあって強い違和感がある。 資生堂は、世の中の2歩も3歩も先に行ってて、だからこその今回の報道なんだけど、それが判ってないコメントが多いと思う。 (資生堂ショックとは、資生堂が美容部員の時短勤務者に土日や夕方以降のシフト入れを促す施策の事) 資生堂に対してなにか言う時の前提資生堂は離職率を公表しており、2013年度の国内資生堂グループ(管理・総合職)で3.2%だ。2014年度4.2%。 しかし、結婚・出産・育児理由は、0.03%にすぎない。2014年度は、ついに0.00%になった。 美容職で、離職率2013年度 3.1%(結婚出産育児理由0.80%), 2014年度 3.7%(結婚出産育児理由1.00%)。 1990年(25年前)には育児休業を3年に。1991年(24年前)には時短勤務(育児時間)導入。1993年(22年前)には介護休業、
補足アップ↓ www.kozre.com 以前からこういう話はあったのですが、8月勤務分から時給を下げてもらうことになりました。 そもそも、この時給を下げて欲しいという話は、私を含め子連れママたちから出たものだったと記憶しています。 それは子連れ開始から2~3ヶ月経った頃、あまりにも仕事にならない日があったり、授乳やオムツ替えでまとまった時間をコンスタントにとっていた頃。 それから10ヶ月経ち、正式に時給を下げます、ということになりました。 先ず、私は大賛成でした。そもそも自分自身で考えていたことだし、お世話時間分が無給ということであれば、気兼ねなく、ゆっくりと慌てること無く娘と向き合えるし、 同じ仕事をしている子連れではない人たちへの申し訳ないという気持ちも軽くなる。 やはり、私が子供の面倒を見るとき仕事を進めてくれるのは、そういう人たちで、ずっとずっと気になっていたから。 こういう環境
厚生労働省の研究会は10日、介護休業を分割して取得できるようにすることなどを盛り込んだ報告書の素案をまとめた。介護を抱える人が残業をしなくて済む制度の創設も求めた。最終報告は8月上旬をメドにとりまとめる。労働政策審議会での議論を経て、早ければ来年度通常国会に育児・介護休業法改正案を提出する。現行の介護休業は家族1人あたり原則1回のみ、最長93日間取得できる。ただ要介護から回復した家族が再び介
青野慶久氏がサイボウズの社長に就任した2005年の直後、同社社員の離職率は28%に急上昇した。危機感を覚えた青野氏が人事制度の見直しを図った結果、離職率は毎年下がり続け、10年には5%に低下、この3年間は5%弱で推移している。 なにが、サイボウズの離職率を下げる原動力になったのだろうか。去る6月25日、PwCあらた監査法人が都内で開いたセミナーで、青野氏は実情を明かした。 青野氏は、自らを「ITベンチャーを立ち上げたぐらいなので、ワーカホリックの類いの人間です。職場で死ねたら本望という感じで、夜も布団の中でパソコンの画面を見ながらまぶたが落ちる瞬間が、私にとってはエクスタシー」と自嘲気味に語る。 1997年の創業以降、同社の年間離職率は15~20%で推移してきた。この水準は、ITベンチャーでは決して珍しくない。 「ITベンチャーの平均離職率は20%ぐらいなので、『こんなもんだろう』と、さほ
女性が活躍する会社として知られる大和証券に、また1人女性役員が誕生した。広報部長の白川香名さん(48)だ。同社として6人目の女性役員だが、白川さんの場合、これまでとちょっと違う。子育てをしながら役員になった初のケースだ。同社の鈴木茂晴会長は「これで女性活躍のステージがまた1つ上がった」と語る。 大和証券、執行役員の白川香名さん 白川さんが大和に入ったのは、日本がバブル経済に踊っていた1989年。同期入社の総合職470人中、唯一の女性だった。証券業界を選んだ理由は「日本経済そのものに関わる、ダイナミックな仕事だと思ったから」。そんな白川さんの職業意識は母親から受け継いだものだ。白川さんの母は70歳まで外資系企業の第一線で働いていた。物心ついた頃から、母は家にいない人、外で颯爽と働く人だった。姉1人弟2人の4人きょうだいにとって、それはごく自然なことで、姉も弁護士をしながら3人の子どもを育てて
日本人材マネジメント協会の機関誌『Jshrm Insight』2015年1月号に、2014年度コンファレンス報告が載っていて、その中に私の基調講演もあります。 いろんなトピックを端的にまとめて喋った記録ですので、何かのお役に立つかも知れません。 現在の日本の労働市場で、若者、女性、中高年がそれぞれに抱えている問題と、それに対する処方箋について、お話をしていきたいと思います。その中で「働き易さ」と「働き甲斐」について、何かイメージを持っていただければと考えています。 ◆若者の雇用問題が存在しなかった日本 90年代半ばぐらいまでの日本社会では、若者の雇用状況というのは、大変素晴らしいものでした。新卒採用において、「今すぐは何もできないけれども、やがていろいろなことができるようになるはずだ」という見込みの上で、若者は採用されていました。まさしく会社に入る、入社するということです。新卒採用から定年
印刷する メールで送る テキスト HTML 電子書籍 PDF ダウンロード テキスト 電子書籍 PDF クリップした記事をMyページから読むことができます 仕事をする上で最も重要視しているのは「ワークライフバランス」、ライフスタイルにあわせて働くための最大の阻害要因は「経営者の意識」――。ヴイエムウェアが5月20日に発表した「モバイルワークと仕事・働き方に関する実態・意識調査」の結果から明らかになっている。 同社は、4月17~23日にウェブマガジン「WIRED」に委託してネット上で調査。回答者は日本国内に住む534人。職業別では、有職者451人、学生49人、その他34人。有職者を年齢別に見ると、10代が3人、20代が107人、30代が137人、40代以上が204人となる。40代が最も多く、30代以上が全体の6割超という構成だ。 5月20日に開いたプレス向けセミナーには、ヴイエムウェア代表取
ワークライフバランス・カフェの活動で知り合った方に薦めて頂いて、「家事労働ハラスメント」という本を読みました。この本は、本来は癒しの営みであるはずの家事(育児、介護等)を、「単純労働」と咎めたり、あるいは「母親にしかできない神聖な仕事」などと極端に持ち上げることで、その実態を労務管理や社会政策において無いものとし、不当な分配がされた結果、生きづらさが生まれたり、社会にひずみが生じている…ということが書かれています。 「ひずみ」について書かれているだけあって、読み進めるのが辛い系の本ではありますが、とても勉強になりました。いくつか印象に残った&考えたことを、煩雑ではありますが共有したいと思います。引用部分は青の斜体で記します。 (仕事と育児の両立をめぐる問題について書きますので、そもそも共働き自体に関心がないとか、そういう選択自体に嫌悪感がある方、私はしんどい家事育児を一人で切り抜けてきたの
その日に限って、いつもは時間より早く到着するベビーシッターさんが来ませんでした。休日なので、シッター会社のオフィスは休みで電話には誰も出ません。10分待ったところで、シッター会社に「子どもは連れて出かけます」とメールを書き、おむつを5枚入れた袋とパンをつかみ、2歳の娘に「車に乗るよ~」と声を掛け、上着を着せて慌てて家を出ました。 男女で賃金に差が出るのは、まともに考えると「非常識」だ タクシーで到着したのは明治大学の駿河台キャンパス。前から「絶対に行きたい」と思っていたシンポジウムが開かれている会場でした。中国電力の男女賃金差別訴訟について、原告と原告側弁護士、そして統計の専門家が話すというもの。男女で賃金に差があるという、「もしかしたら、日本の企業社会では当たり前と思われているかもしれない。でも、まともに考えると非常識なこと」について、当事者と支援者が報告する会でした。 原告の長迫忍さん
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