コスモス、バラ、カーネーション、なでしこなど、直径1~2センチの小さな花々を食用の押し花に乾燥加工する“食べる花ビジネス”で、地域に暮らす人々の雇用を創り出す――。島根県仁多郡奥出雲町に本社を置く精密電子部品メーカー、エヌ・イー・ワークスは、技術開発力と「中山間地」という立地環境を融合した地方企業ならではのユニークなニュービジネスを展開している。 三澤誠社長(36歳)は「島根の山奥だからダメなのではなく、田舎だからこそできることがあるはずだ」と脱下請け戦略の一環として、奥出雲の豊かな自然環境を生かす独自ブランド製品の開発に挑戦。自社栽培した食用花をクッキーなどの生地に焼き込む創作スイーツを開発して、2009年に「世界にひとつだけの花」という商品名で発売、ヒット商品に育て上げた。 さらに今年6月からは、食用花そのものを食品メーカーや有名レストランに販売する食材ビジネスへと事業領域を広げている