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検察官定年延長を問う

内閣の裁量で高検検事長らの定年延長を可能とする特例を盛り込んだ検察庁法改正案についてまとめます。

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法務省「黒川氏の退職、捜査に支障ない」 定年で「重大な障害」だったのでは?

黒川弘務東京高検検事長の辞表提出を受け、多くの報道陣が集まる検察庁=東京都千代田区で2020年5月21日午後6時7分、宮間俊樹撮影
黒川弘務東京高検検事長の辞表提出を受け、多くの報道陣が集まる検察庁=東京都千代田区で2020年5月21日午後6時7分、宮間俊樹撮影

 賭けマージャンで辞職した黒川弘務・前東京高検検事長の定年延長問題を巡り、法務省の川原隆司刑事局長は4日の参院法務委で、黒川氏の退職により「捜査に特段の支障は生じない」と答弁した。「黒川氏の退職で捜査に重大な障害が生じる」(森雅子法相)として定年延長を決めた1月の閣議決定の根拠が大きく揺らいでいる。参院法務委のやり取りは以下の通り。【大場伸也】

 山添拓氏(共産) 黒川氏の退官願いを受けて、大臣は慰留されたのか。

 森雅子法相 今回の件を深く反省し、責任を取る意思の表れであると考え、重く受け止めた。

 山添氏 慰留はされなかったということですね。

 森氏 慰留をしておりません。

 山添氏 訓告というのは「訓告に関する訓令」にあるように「将来における服務の厳正または職務遂行の適正を確保するため指導する措置として行うもの」だ。引き続き職務についてもらう、その前提でされたものではないのか。なぜ慰留しなかったのか。

 森氏 今回の黒川氏に対する訓告処分は、将来における検察組織一般の服務の厳正を確保するために必要と考えられた。

 山添氏 そうであれば、少なくとも常習性が疑われるような事実については、徹底して調査すべきではないか。

 黒川氏が辞職し、東京高検検事長は空席となった。後任の林真琴氏が任命されるまで職務は誰が担っていたのか。

 法務省・川原隆司刑事局長 その間は高検の次席検事が検事長の職務を代行していた。

 山添氏 黒川氏が検事長の座を降りたことで、管内事件の捜査公判に何らかの支障はあったんでしょうか?

 川原氏 えっと………

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