東京に駐在する外国メディア特派員の目に、私たちの社会はどう映っているのだろうか。韓国、フランス、英国、バングラデシュ、シンガポールの個性豊かな記者たちがつづるコラム「私が思う日本」。第74回は聯合早報(シンガポール)の符祝慧・東京特派員が、地球環境にやさしい社会はどうあるべきかを考えた。符氏は、日本のごみ分別の細かさに感心する一方で、外国人にとっては悩みの種だと吐露する。
統一されていない分別方法
日本では他の国に比べ、路上などでごみを目にすることは少なく、街は清潔だ。ごみの分別も、とても細かい。大学進学で来日し、学生寮に住んでいた頃、資源回収の日の朝が来る度に、寮の管理人が学生の出したごみを慎重に分別していたのを覚えている。
だが、ごみの分別は、外国人が日本での生活に溶け込むにあたって最初の困難なステップだ。その方法は日本全国で統一されておらず、細かい区分がある地域もあれば、区分が少ない地域もある。友人の中には、住んでいた地域のごみの分け方があまりにも細かかったため、引っ越しを決めた人もいる。彼女は「ごみを細かく分別するのに疲れた。高齢になった時、生活をする上での大きな負担になるのではと心配した」と語った。
私が住んでいる地域では、「ごみ当番」が伝統的な仕事となっている。当番になると、いつもさまざまな種類のごみが混じったごみ袋を目にする。隣人の日本人の奥さんとは、弁当のごみを燃えないごみとして出すかどうかで議論した。「燃える」「燃えない」の分別は難しくなさそうに思えて、実は簡単ではない。
報道によると、京都府亀岡市は4月1日から、ごみの種類をより理解しやすくするため、「燃やすしかないごみ」や「埋め立てるしかないごみ」といった区分を新設した。しかしこれもまた、市民の新たな悩みの種となる可能性がある。
なぜ分別にこだわる…
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