自虐史観を批判する若者 元将兵は喜ぶどころか「私が…」

遠藤美幸・神田外語大・埼玉大兼任講師=提供写真
遠藤美幸・神田外語大・埼玉大兼任講師=提供写真

 元国際線客室乗務員が、なぜか旧日本軍「戦友会」の「お世話係」に――。気づけば20年以上、元将兵たちと深く関わってきた研究者が、遠藤美幸さんです。第二次大戦の戦場を経験した人が本当に少なくなった今、遠藤さんは彼らの残した言葉に何を思っているのでしょう。高齢者に「巻き込まれた」という遠藤さんの真意は?【聞き手・鈴木英生】

戦友会の「お世話係」に

 私は、2000年代前半、戦時中にビルマ(現ミャンマー)中国国境地帯などで戦った元日本陸軍将兵の聞き取りを始めました。そのうち、陸軍第2師団の戦友会「勇(いさむ)会」と後継の「勇会有志会」で、雑用から会計まで任される「お世話係」にいつのまにかなっていました。

 有志会は17年に解散し存命の元将兵は1人ですが、今も私は遺族らとの交流を続けています。

 他方、戦場体験の語り部活動などをしてきた「不戦兵士・市民の会」にも15年から参加し、理事を仰せつかりました。昨年発足した後継団体「不戦兵士を語り継ぐ会」では、共同代表を務めています。

使命感ではなく「巻き込まれ」ただけ

 一見、私は「戦場の記憶」という「バトン」を次世代へ正確に手渡そうとしているみたいですよね。

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