連載

サンデーコラム

毎日新聞の海外支局長が交代で国際情勢を読み解きます。

連載一覧

サンデーコラム

中国就職難、魯迅小説に若者共感=河津啓介・中国総局長

就職説明会で採用担当者の説明を熱心に聞く若者たち=北京市で2023年5月25日午前10時54分、河津啓介撮影
就職説明会で採用担当者の説明を熱心に聞く若者たち=北京市で2023年5月25日午前10時54分、河津啓介撮影

 <Sunday Column>

 中国は6月から卒業シーズンを迎える。新たな門出となるはずが、今年はかつてない就職氷河期に直面する。そうした中、若者たちが先行きの見えない不安や憤りを、文豪、魯迅(1881~1936年)の作品に託して世間に訴える現象が起きている。

 5月に2年ぶりに赴任した北京市の街は、新型コロナウイルス禍以前の落ち着きを取り戻したようだった。徹底的に感染を封じ込める「ゼロコロナ」政策の終了後、主要な経済指標は回復傾向にある。

 ところが、若者を取り巻く環境は厳しい。中国国家統計局によると、4月の16~24歳の失業率は20・4%と、比較できる2018年1月以降で最悪だった。

この記事は有料記事です。

残り1936文字(全文2232文字)

あわせて読みたい

この記事の特集・連載

アクセスランキング

現在
昨日
SNS

スポニチのアクセスランキング

現在
昨日
1カ月