<Sunday Column>
中国は6月から卒業シーズンを迎える。新たな門出となるはずが、今年はかつてない就職氷河期に直面する。そうした中、若者たちが先行きの見えない不安や憤りを、文豪、魯迅(1881~1936年)の作品に託して世間に訴える現象が起きている。
5月に2年ぶりに赴任した北京市の街は、新型コロナウイルス禍以前の落ち着きを取り戻したようだった。徹底的に感染を封じ込める「ゼロコロナ」政策の終了後、主要な経済指標は回復傾向にある。
ところが、若者を取り巻く環境は厳しい。中国国家統計局によると、4月の16~24歳の失業率は20・4%と、比較できる2018年1月以降で最悪だった。
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