解散命令請求は「信教の自由」を侵害? 宗教団体の見解割れる
世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の解散命令を東京地裁に請求した政府の法解釈を巡り、毎日新聞が主要な宗教法人に憲法が保障する「信教の自由」を侵害する懸念があるかをアンケート形式で尋ねたところ、回答が割れた。民法の不法行為を根拠とした解散請求を妥当と評価するか、国家権力による宗教団体への恣意(しい)的介入を危惧するか、どちらを重視したかで判断が分かれた。【平塚雄太、菅野蘭、隈元悠太】
解散命令「民法の不法行為」前例なく
アンケートは10月中旬、文化庁の宗教年鑑(2022年版)で国内信者が公称10万人以上などの62法人に質問票を送り、21法人から回答を得た。日本基督教団は「法人事務局の見解」とした。
宗教法人法は「(宗教法人が)法令に違反し、著しく公共の福祉を害すると明らかに認められる行為をした」ことなどを要件に、裁判所が法人の解散を命じることができると明記する。
だが、実際に法令違反を理由に解散命令が確定したのは「刑事事件」で立件されたオウム真理教と明覚寺(和歌山県)の2件だけで、「民事事案」を基に適用された前例はない。
同法が示す「法令違反」の適用範囲について、岸田文雄首相は22年10月18日の衆院予算委員会で「民法の不法行為は入らない」と答弁したが、翌日の参院予算委では「民法の不法行為も入り得る」と解釈を一転させた。旧統一教会問題への対応が遅れ、支持率が急落したことが背景にある。
アンケートに回答した21法人の回答詳報はこちらです。
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6法人「信教の自由」侵害を懸念
アンケートでは「政府の解散請求を評価するか」を尋ね、10法人が「評価する」「どちらかといえば評価する」のいずれかを選択。一方、5法人が「評価しない」「どちらかといえば評価しない」とし、連立与党・公明党の支持母体である創価学会など6法人は無回答だった。
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