はてなキーワード: 進学指導重点校とは
https://www.sankei.com/article/20240330-OBQECZ5Z35NNVHU7D3BUK3UQOM/
大阪府民だけど、ブコメになんでも維新のせいにする輩が多すぎるので…。
まず、維新による公教育の破壊というけど、それを言えば私立進学率がはるかに高い東京の方がもう草も生えてないだろ。大阪は最トップ層が中受で灘洛南東大寺に流出するものの、それに次ぐ層を府立文理学科に引き留められているだけましである。都の進学指導重点校より実績もあげている。
府の私立無償化の目的は大きく2つ。中間層の府外私立への流出をこれ以上増やさないことと、教職員採用のコストを下げることだ。
もともと大阪の私立の弱さは有名だが、全国都市部の中受ブームの流れは大阪でも遅れてやってきつつある。その際に、最トップ層の府外流出は変えようがないが、それに次ぐ層を文理学科と府内私立に引き留めようとする狙いが高校無償化にはある。
教職員採用のコスト上昇については維新の自業自得であるが、じゃあ私立に任せようというのは対応としては悪くない。持続可能なしくみなのかと言われるとそれはわからないが。
これまでの基準より緩くすることは想定されるが、定員割れ府立高の統廃合はこれからも進むだろう。ただ、これは維新府政というより少子化が理由であり、多かれ少なかれ全国自治体で進行中の問題である。なお、廃校跡地を維新が払い下げてタワマンが建つといった妄言は噴飯ものでしかなく、統廃合される府立高の立地を見てからものを言ってほしい。SCすら難しい辺鄙な場所ばかりだぞ。
ということで、府教育庁に激震という話はにわかに信じがたい。多少想定より上振れがあったかもしれないが織り込み済みの話だから。取材されたら立場上重く受け止めているくらいの返事はすることになり、あとは産経がそれをセンセーショナルな記事にまとめただけのことだろう。
首都圏在住の小学校低学年の子どもを持つ親の悩みのひとつに「中学受験をさせるか、させないか」というのがあります。首都圏で中学受験をするのは6万人超で5人に1人、つまり20%くらいが中学受験をすると言われています。
この文章は、私が「中学受験をさせるか、させないか」について相談されたときに、どのように考えるべきなのかという判断材料をお渡しするために書いています。なるべく客観的なデータに基いて記述をするために、偏差値といった数値的なデータを中心に取り上げることが多くなります。いわゆる学歴主義のように感じられる部分があるかと思いますが、そのような意図はまったくないということは強調させてください。私自身も中学受験を経験し、偏差値だけでは表現しきれない私学教育の魅力や中高一貫教育のメリットというのを肌で感じています。判断材料として主観的な記述を減らす都合で、このような記載になっているとご理解ください。
中学受験をさせると決めたら、一般的には新4年生の春休みから進学塾に通わせることになります。通塾費で200〜300万かかり、私立中学に無事に進学したとしても公立以上の費用がかかります。3年間の学習時間は2,000時間以上になるとも言われ、親はそのサポートに追われることになります。中学受験は、並大抵のものではありません。金銭的にも時間的にも親の「覚悟」が必要になります。特に金銭面での負担は大きく、私学中学に通う家庭の世帯年収は約800万円以上がほとんどだというのも事実です。
「小学校の頃から塾通いなんてかわいそうだ、うちは『普通』でいい」
そう考える家庭も多いでしょう。中学受験をするには、多額の費用と労力がかかります。「そんなのは『普通』ではない」そう考える気持ちは分かります。分かるのですが、ちょっと待ってほしいのです。中学受験をしなかった「普通」はどういうものなのか、それを理解した上での結論でしょうか。中学受験をしないと決めたら、地域の公立中学校に進学します。そこで3年間を過ごし、ほぼ全員が高校受験をします(高校進学率98.8%)。ですから、実のところ「中学受験をさせるか、させないか」という問題は「中学受験をさせるか、高校受験をさせるか」という問題になります。
もし、中学受験ではなく高校受験を選択し、平均的な学力の高校、つまり高校受験の偏差値50前後に進学したとします。進学先はどうなるのでしょうか。たとえば、都立S高校では、6割くらいが大学へ進学、3割が短大・専門学校へ進学をしています。大学進学先も、いわゆる大東亜帝国に入学できれば成功の部類で、GMARCHは学年トップ数人だけが入学できる存在です。口コミ掲示板を見ると、数年前に上智に合格をした先輩が伝説的な存在として語られているのが分かります。
難関大学と呼ばれるGMARCHを狙える高校に進学したいのであれば、都立高校では高校偏差値65以上の進学指導特別推進校や進学指導特別推進校が選択肢になります。早慶以上を目指すのであれば、高校偏差値70以上の進学指導重点校です。地元の中学から、進学指導重点校や進学指導特別推進校、進学指導推進校を目指すことを想像してみましょう。地域によって差がありますが、東京都区内の公立中学校の生徒数は、学年あたり100〜150人くらいの規模であることが多いようです。ですから、偏差値65以上(上位6.68%)の学校に進学できるのは、学年で10名くらいになります。都立高校への進学には内申点も大きく影響してきますから、主要教科だけではなく副教科も含めて学年でトップクラスになる必要があります。これって「普通」でしょうか?
一方で中学受験の「普通」はどのようなものでしょうか。中学受験生の平均的学力の中学、つまり偏差値50前後(日能研)の中学校に進学したときの、大学進学の実績を見てみましょう。たとえば、T中学であれば、ほぼ全員が大学に進学し、そのボリュームゾーンもGMARCHになります。S中学のように大学付属ながら、内部進学の資格を保持したまま難関大学にチャレンジできる学校もあります。中学受験をする層というのは全体の20%で、経済的余裕があり教育熱心な家庭になります。そこでの平均となりますので、全体から見たら上位の学力になります。
もちろん、中学受験をしたからといって、ただちに学力が上がったり、しないという選択で学力が下がるというわけではありません。あくまでもデータからみると、こうなっているということを示しています。生存バイアスだという指摘もあるかもしれませんが、中学受験から離脱する割合が高いというわけではありません。
ここまで、データが示す「普通」がどれくらいなのかを示してきました。ご家庭で暗黙的に考えている「普通」とのギャップはあったでしょうか。「中学受験をさせるか、させないか」という問題は「中学受験をさせるか、高校受験をさせるか」という問題であり、親としての子どもにどのくらいの学歴や学力、教育を期待しているかという問題になります。子どもの能力と比べて過大な期待を抱くと、良好な親子関係への障害となってしまいます。かといって、過少な期待をもって「縛りプレイ」をさせるというのも違うと私は考えます。子どもの能力に対して親としてどのような環境を提供できるのか、この文章がご家庭で考えるきっかけになれば幸いです。
かなり昔に都立高校生だった私が、現在の母校の位置づけを知るためにネットで検索してみたらこんなのが出てきた。
概ね私が当時持っていた(学校の)レベル感とそう大きくは変わっていないんだけど、学区制がなくなって自由に学校を選べるようになった結果として、ガリ勉してでも有名大学に行きたい子と、そんなに成績が悪いわけじゃないけど、受験勉強にばかり青春を捧げるのもちょっとね…という子がどの学校を選ぶかという差が出てきてるように思う。
http://www.kyoiku.metro.tokyo.jp/press/press_release/2017/release20170824_02.html
それにしても東京都教育委員会はずいぶん変わったなぁ…と思う。昔はあまり高校間のレベル差を強調しないよう、内申の比重を高くして、生徒たちを成績に応じて入れそうな高校に振り分けるのが中学校側の腕の見せ所で、いわゆる名門と言われる高校でもさほど倍率は高くなかった。が、そのことによってかつては東大等への合格者数が多かった元進学校が凋落することとなった。(特に東京23区内では進学に強い私立校が増えたというのもあると思うけど。)
で、そのことに業を煮やしたと思われる都教委が出したのが「進学指導重点校」なるものを指定して学校間の競争をあおり、かつての名門復活を目指す作戦だ(あくまでも私の推測だけど)。いかにもお役所っぽい書き方でごにょごにょ書いてあるけど、要するに偏差値で行くとトップが(1)進学指導重点校で、次が(2)の進学指導特別推進校で、それに続くのが(3)進学指導推進校だよね。
別に私はこのやり方が間違っているとは思わない。頭の出来が一緒でも塾に行く金や名門私立進学校に行く金のある子だけがエリート大学に行けるのではなく、安い学費でも進学に力を入れる都立高校で勉強すれば名門大学に入れる…という選択肢を作ったんだからね。
そして、ここには「難関国立大学等」として「東京大学、一橋大学、東京工業大学、京都大学、国公立大学医学部医学科」というのが明記されている。関東圏の人であればだいたい納得するしかないラインナップではあるが、塾とか予備校でもここまで特定の大学名を出さないのではないかと思うようなターゲットの絞りっぷりである。
「お金持ちの家に生まれなくても、努力すれば名門校に進学でき、将来有望な職業に就くことができる」という意味では素晴らしい制度だと思う。が、比較的緩い制度の時代に都立高校生として青春を送った身からするとちょっとえげつないなぁ…という気もするのである。
おおたとしまさ氏という、中学受験を中心とした評論家がいる。自身は麻布中高という名門私立中高一貫校出身であることもあって、私立中学受験市場のマスメディアに多く登場するが、専門外の記事になると、的外れで、唖然とするような記事を多く書く。
4月13日、高校受験に携わるものとしては看過できないような記事を見かけたので、掲載しておく。まずは読んでほしい。
https://news.yahoo.co.jp/byline/otatoshimasa/20180413-00083769/
おおたとしまさ氏は、中学受験しか精査して調べていないことが丸わかりな記事である。お願いだから、高校受験について何も知らない素人が、こういうデタラメ記事を、一般大衆を煽るかたちで書かないでいただきたい。
どうせトップ都立高に入れないのであれば、中学受験をしたほうがいい、あるいは私立高校に行ったほうがいいという判断が働くのも無理はない 【記事より引用】
上記記事をご覧になったうえで、おおたとしまさ氏の脳内思考はこうである。「都立高校がいくつも定員割れを起こした」⇒「日比谷や西といった都立トップ進学校の人気が落ちたのだろう」→「都立上位校といえども、中学受験の中堅校の同程度の進学実績だから、私立高校に進学する生徒が増えた」
果たして、本当にそうなのだろうか。都内高校入試最大の母体を持つVもぎの合格基準を用いて、過去3年間分の都立高校普通科のランク別の受験者数と実施率倍率の推移を書いてみる。
●男子
Aランク 1398人→1327人→1427人 (1.66→1.57→1.69倍) ↑
Bランク 944人→917人→947人 (1.37→1.42→1.46倍) ↑
Cランク 2863人→2934人→3000人 (1.53→1.55→1.64倍) ↑
Dランク 2911人→2902人→2967人 (1.53→1.53→1.59倍) ↑
Eランク 4403人→4389人→4107人 (1.45→1.46→1.37倍) ↓
Fランク 3667人→3858人→3332人 (1.28倍→1.33倍→1.18倍)↓↓
都立高校の合格に必要な偏差値をAランクからFランクに分けた。Aが難関校、Bが上位校、C・Dが中堅校、Eが下位校、Fが課題集中校となる。見ての通り、A~Dランクまでは、3年間のうちで2018年度が最も受検者数が多く、倍率も高かった。つまり、都立高校のうちのトップ校から、多くを占める中堅校のC~Dランクまでは、人気の上昇は継続している。
おおたとしまさ氏は、なぜかAランクやBランクの進学校の話ばかりしている。きっと、私立中高一貫校の専門家であり、難関校の取材ばかりしているから、EランクやFランクの学校をよく知らないのだろう。都立高校の定員割れの話をする際に、今年も人気が上昇した都立上位校の話をするのは、リサーチ不足と言わざるを得ない。
おおたとしまさ氏は、「学区を撤廃して、日比谷のような一部の超トップ校に難関大学合格者が集中しただけ」と語っているが、おそらく、何も分析せずに印象だけで語っている。実際にはまったく異なる。都立高校改革で、2番手や3番手の学校の大学合格実績も大きく伸びている。おおたとしまさ氏は、まず以下の都立2~3番手校の大学合格実績を10年前と比較されたい。
小山台、駒場、三田、竹早、小松川、豊多摩、大泉、富士、三鷹、武蔵野北、小金井北、調布北、町田、日野台、調布北、昭和
これらの学校は、都教委肝いりの進学指導重点校ではない。ところが、軒並み大学合格実績が伸びている。特に、国公立大学の合格者総数は、激増といっていいほど増えている。あなたのおっしゃる通り、都立高校生は、国公立大学志向が強いので、同じ表を、国公立大学の合格率で計算したい。
都立高校改革が、当初は「一部のトップ校だけに高学力の生徒が集中して、ほかの都立進学校が地盤沈下する」と危惧されていたのは事実だ。2000年代初頭ぐらいには、多くの方々がそう語っていた。ところが、都立高校間で進学指導のノウハウを蓄積した結果、都立高校全体での指導力が高まり、結果としては、都立進学校全体が伸びた。2000年代前半に都立全体で東大に50人台しか合格しなかったのが、2017年は改革以後最多となる170人半ばを突破してた。参考までに、東京都内の私立高校、都立高校全体が、2012年から2017年の5年間でどれだけ大学合格実績が伸びたかを調べたので、掲載しておく。
都立高校 +892人 (115%)
私立高校 -489人 (97%)
●難関国立大(東大・京大・一橋大+東工大+旧帝大+東京医科歯科大)
都立高校 +81人 (136%)
おおたとしまさ氏の指摘する「特定校への集中」は、実は、氏の支持する私立中高一貫校の方が顕著かもしれない。
おおたとしまさ氏の最後の発言は、もはや教育ジャーナリストという肩書を返上してほしいと思わせる大暴言だ。
難関大学合格の可能性の観点から言えば、もしも世田谷学園を切り捨てたのであれば、日比谷や西に合格できない限りその選択は失敗だったことになり、同様に、田園調布学園や獨協を切り捨てた場合、駒場や小山台に合格しても失敗だったということになります【記事より引用】
おおたとしまさ氏のこの発言が暴言であるのには二つ理由がある。
第一に、データが滅茶苦茶であるということだ。おおたとしまさ氏曰く、難関大合格の観点からすると、「独協を切り捨てた場合、小山台に合格しても失敗」らしい。だが、この感覚は、一般人の感覚とは相当ずれていると言わざるを得ない。
独協 国公立大 12人 (うち現役合格5人) ※卒業生数約200人
小山台 国公立大 115人 (うち現役合格92人) ※卒業生数約300人
単純に比べて、どちらの方が進学実績が優れているかといえば、独協高校には本当に申し訳ないのだが、どう考えても、小山台高校の方が格上と言わざるを得ない。東大+京大+東工大+一橋大の指標も、小山台が5人(全員現役)、独協が1人(浪人)だ。
それなのに、恣意的なデータを用いて「独協を切り捨てたら小山台合格でも失敗」とサラッと言ってしまう感覚が恐ろしい。そしてそれを、教育ジャーナリストという肩書で全国配信してしまうのだ。
第二に、これは単純に、その高校に通っている生徒に失礼ということだ。「小山台高校に合格しても失敗」「駒場高校に合格しても失敗」なんてことを、何度も言うが、教育ジャーナリストと名乗っている人間が全国配信している。しかも、具体的な都立高校名を挙げて。
おおたとしまさ氏は、ぜひともこの調子で、中学受験の子を持つ保護者に、逆のことを言ってほしい。
「日比谷高校より東大合格者数の少ない私立中高一貫校に通っている生徒は、合格しても失敗」
「都立国立高校よりも東大合格者数が少ない桐朋中に通っている生徒は、合格しても失敗」
「都立西高校よりも東大合格者数が少ない国学院久我山中に通っている生徒は、合格しても失敗」
「南多摩中等よりも東大合格者数が少ない穎明館中に通っている生徒は、合格しても失敗」
おおたとしまさ氏の都立高校に関する記事が、まったくもって不正確であることを指摘した。最悪なことに、全国配信されているので、この記事を読んだ一般の方々が「なるほど。都立高校定員割れは、学力優秀層が都立進学校から私立高校へ流れたことが原因か」と誤解してしまう恐れがある。
今回の事象について、日経新聞では、さすがと言いうか、冷静で精緻な分析を記事にしている。つまり、中堅校以上、偏差値でいうと50以上の都立高校にはほとんど影響はなく、それどころか、大学合格実績の伸長によって、ますます都立高校人気が高まる結果となった。一方で、偏差値30台の課題集中校や、商業科、工業科の人気が極端に下がり、私立高校に流れたと。
私立高校無償化政策による都立高校定員割れについて、我々が考えるべき最大の問題は、都立の商業高校や工業高校を、このまま不人気ということで廃校にしてしまっても良いのかということだ。今の若い子達には、なかなか商業高校や工業高校の良さは伝わらない。嫌な言い方をするが、商業高校や工業高校へ行くぐらいなら、私立高校からFランクであっても大学へ進学させたいという家庭が多い。しかし、都立の商業高校や工業高校は、長い伝統の中で実習教育に長けていて、高卒の大切な人材供給の源。これをなくすことは、結果としては、国にとって損失ではないか?そういう議論などをしていかなければならないと思う。
おおたとしまさ氏も、そこに着目して、「都立高校の定員割れは、商業高校や工業高校が見捨てられて、私立高校に流れたからだ」という論調で書いていれば、的を射た記事になっていただろうに……。
お願いだから、少なくとも「教育」ジャーナリストと名乗るからには、そういった学校にも目を向けて、足を運び、たくさん取材をしたうえで、この、「都立高校定員割れ」という国レベルでの大きな問題に提起する記事を、ぜひ全国配信してほしい。