はてなキーワード: infineonとは
3年くらい前に日本の半導体産業の近況をまとめたのですが、ここ数年で政治家の先生たちが何かに目覚めたらしく状況が大きく変わりつつあるので各社の状況をアップデート。
前回の記事 https://anond.hatelabo.jp/20200813115920
熊本工場:28nm, 22nm (工場稼働時) / 16nm, 12nm (将来計画)
日本政府の補助金とソニー・デンソーの出資という離れ業により、業界人が誰も信じていなかったTSMCの工場進出が実現した。現在は建屋の建設が進んでおり、順調にいけば2024年内には量産開始となる。生産が予定されているプロセスはいずれも世界最先端に比べると古いものだが日本では最先端であり、HKMG(ハイケーメタルゲート、トランジスタの性能を上げる技術)やFinFET(フィンフェット、性能の良い3次元トランジスタ)といった技術が新たに導入される。工場で生産される半導体の主なクライアントは出資者のソニー。衰退の激しい日本の電機業界だが、ソニーはまだ世界と戦う余力を残しており年間半導体購入金額世界10位で日本トップである。ただし、PS3のCell Processorを長崎で作っていたように先端プロセッサをここで作れるわけではない。PS5のCPUはTSMCの6nmプロセス製造であり、この工場では製造できないのだ。識者の予測ではイメージセンサー向けロジック半導体を生産すると想定されている。
■ Rapidus (ラピダス)
日本政府の国策で、IBMから技術を導入し自前で最先端の半導体製造を狙う野心的なプロジェクト。量産開始は2027年を予定。
彼は日立→トレセンティテクノロジーズ(ルネサスの那珂工場の前身)→SANDISK→Western Digitalという国内外の半導体メーカーを渡り歩いた華麗な経歴の持ち主である。
以前に社長を務めていたトレセンティテクノロジーズは2000年に日立と台湾の大手ファウンドリUMCとの合弁の半導体製造会社で、世界に先駆け現在の標準となる300mmウェハに対応した先進的な工場であった。ファウンドリ全盛の今から後知恵で見れば、限りなく正解に近い経営戦略と先進性を併せ持っていたがビジネスとしては成功しなかった。工場はルネサスに吸収され、小池氏はSANDISKへと移籍することに。そんなわけで今回の国策ファウンドリRapidusの社長就任は小池氏の二十数年越しのリベンジマッチでもある。
なお、氏のポエミーなプレゼンは業界でも有名。記者会見で日本半導体衰退の原因を「驕り」と一刀両断した一枚のパワポが話題をさらったが、本人が一番驕っているのではと不安がる声もある。
■ ルネサスエレクトロニクス
日立・三菱電機・NECのロジック半導体部門が統合した日本を代表する半導体メーカー。
5万人いた従業員を1/3にする大リストラ、先端プロセス製造からの撤退、海外メーカーの買収ラッシュを経て復活。そして大躍進。
昨年の売り上げは1兆5千億円を超え、はじめて統合直後の売り上げ(ピークは2011年3月期の1兆1千億)を抜いた。もう1+1+1=1とは言わせない。
旺盛な車載半導体需要にこたえるべく、政府の補助金を得てリストラで閉鎖した甲府工場の再稼働を決定。
コロナ禍では働き方が柔軟になり、リモートワークは全国どこでもできるようになった。ルネサスは開発拠点も大リストラで統廃合しており、三菱系の伊丹やNEC系の玉川をはじめ全国にあった設計拠点を日立系の小平に集約している。地元の拠点が閉鎖されて単身赴任をしている人も多かったのだが、最近ではリモートワークを活用して単身赴任先のマンションを引き払った人も出てきている模様。
増大する車載半導体需要にこたえるべく、デンソーが出資してパワー半導体のIGBTの生産を始めた。筆者はパワー半導体は専門外で、家電芸人が語る家電の説明程度にしか話せないため軽く紹介するにとどめたい。
半導体部門を手放したがっていたPanasonicがイスラエル企業のTower Semiconductorと共同で運営していた工場。
Panasonicが台湾Nuvoton technologyに持ち分株式を売却したため、現在ではイスラエル・台湾共同運営という珍しい業態になっている。
さらに、半導体最大手のIntelがTower Semiconductorの買収を進めているため、将来的にはIntelの拠点となる可能性があり、日本でIntelのCPUが作られる世界線もあるかもしれない。
が、本案件は米中対立のあおりで中国での買収審査が長引いているため、先行きには不透明感が漂う。
■ キオクシア
日本を代表するメモリ半導体メーカー。前回からの3年で、積層数は96層 → 112層 → 162層と2世代進化した。競合他社は232層品の量産も始めている(キオクシアは開発完了 / 本格量産前)が、最近の3D NANDは闇雲に積層数を増やせば低コストで作れるというわけでもない模様。
なお世間では半導体不足のニュースの印象が強く、半導体はもうかっているとの認識があると思うがコロナ禍でのIT投資ブームが終了したメモリ業界はリーマンショック以来の大不況である。
キオクシアも例外ではなく、最新の4半期決算で1000億円単位の赤字を計上してしまった。Western Digitalとの統合のうわさがあるが、もちろん筆者は何も知らないし、仮に知っていても絶対にここには書けない。
■ Micron Memory Japan (旧エルピーダメモリ)
ルネサスと同じく、NEC、日立、三菱電機のDRAM事業統合で生まれたエルピーダメモリを倒産後に米Micronが買収。
前にも書いたが、DRAM業界はプロセスのサバ読みが横行しており、20nmを切ったあたりから具体的な数字ではなく1X, 1Y, 1Z, 1αときて、ついに1βnm世代の量産にたどり着いた。広島サミットに合わせて、社長が来日。岸田総理と会談後大々的な設備投資を発表。1γnm世代を目指して日本初の量産用EUV露光装置が導入されることが決まった。
このEUVというのは波長が13.5nmの極超紫外線(Extreme Ultra Violet)を使った露光装置で1台200~300億かかる人類史上最も高価で精密な工作機械でありオランダのASML社が独占的に製造している。もっとも、メモリ業界の大不況を食らっているのはMicronも例外ではなく、岸田総理と華々しく会談している裏で数百人規模のリストラを慣行。こういう外面の良さと裏でやってることのえげつなさの二面性は、いかにも外資だなと思う。
東芝と共同でフラッシュメモリの開発を行っていたSANDISKをHDD大手Western Digitalが買収。キオクシアの四日市工場と北上工場を共同で運営している。
Western Digitalはメモリコントローラーを内製していることで知られSSDの性能の良さに定評があり、スマートフォン向けの売り上げが多いキオクシアとは、同じ工場を運営していても得意としている販売先が微妙に異なり、住み分けがなされている。(そのため、2社統合によるシナジー効果が期待されたびたび観測気球的な記事が出回る。)
なお、もともと日系半導体メーカーが大リストラをしていた時の人材の受け皿として中途をたくさん採用していた経緯もあり、人材の流動性は高い。在籍時の仕事ぶりがよければ、他社へ転職していった元社員の出戻りも歓迎と聞く。前述のRapidus社長の小池氏は、つい先日までここの社長をしていた。余談だが、上記Micronの米国本社の社長も旧SANDISKの創業者でWestern Digitalによる買収後に引き抜かれている。こういう話を聞くと、いかにも外資だなと思う。
イメージセンサーで世界最大のシェアを誇るソニーの半導体部門。2020年、2021年は米中対立のあおりを受けて主要顧客のHuawei向けの出荷減少に苦しんだが、2022年度は大幅に売り上げを伸ばし、1兆4千億円となった。他の半導体の例にもれずイメージセンサーも国際競争が過酷であるため、対抗して人員増強を進めている。Panasonic系エンジニアを引き抜くために関西に設計拠点を開設し、各地の工場の拡張も並行して進めている。調子のいい半導体メーカーはどこも人員増強を進めているが、ここ10年ほどは理工系の学生の半導体業界人気がどん底、かつ人材ニーズも少なかっため、新卒で半導体メーカーに就職した絶対数が致命的に少なく30~40歳くらいの中堅技術者の確保にどこも苦労している模様。なお、スマートフォン向けカメラの次の飯の種として、車載用途に数年前から注力開始。最近徐々に成果が出始めている。
■ ソシオネクスト
富士通とPanasonicのLSI設計部門が統合してできた日本最大のファブレス半導体メーカー。昨今の半導体ブームの波に乗り、株式上場、売り上げ2000億突破と非常に好調。3年前は1000億程度の売り上げだったので、すさまじい成長である。もっとも、母体となった富士通・Panasonicはピーク時の半導体売上が1社で5000億近くあったので、少々物足りなさを感じなくもない。復活は道半ばである。
■ メガチップス
ソシオネクストが誕生するまで日本最大のファブレス半導体メーカーだった。もともと任天堂向けの売り上げが大半だったのだが近年は多角化を進めている。昨年の売り上げは約700億とSwitch人気がピークだった時と比べるとやや劣るが営業利益は過去最高を記録している。
かつては日本を代表するファブレス半導体メーカーと言えばここだった。昨年の売上高は54億と、3年前紹介したときの30億から伸びたものの、ファブレス上位2社からはかなり離されてしまっている。大昔は韓国のサムスン電子に自社製品が採用されたのがウリで創業者の武勇伝にも頻繁に登場していたが、今では売り上げの75%を国内に依存しており海外展開の出遅れが否めない。
■ 東芝
車載用途のパワー半導体需要が伸びており、石川県の工場に300mmウェハ対応ラインを建設。この記事でよく出てくる300mmウェハとはシリコンの基板の直径であり、大きい方が製造効率が良い。125mm → 150mm → 200mm → 300mmと順調に大型化が進み次は450mm化と思われたが、大きすぎて弊害が大きく、ここ20年間はずっと300mmが最大サイズである。
従来はCPUやメモリといった分野の製造にしか使用されていなかったのだが、ここ5年くらいでパワー半導体にも300mm化の波が押し寄せてきている。
■ ローム
何かと癖のある京都系メーカー。車載事業が好調で売り上げが順調に伸びている。次世代パワー半導体材料と呼ばれていたSiCで日本国内の他のメーカーをリード。
余談だが、筆者は学生のころSiCを実験で扱っていた。単位を落としまくっていた不良学生だったので、教授がワクワクしながら話していたSiCの物性の話はすべて忘れている。今では家電芸人並みのトークしかできないのでSiCについて語ることはご容赦いただきたい。研究から本格量産まで20年超の時間がかかっていることに驚きである。基礎研究の大変さを実感する。
■ 三菱電機
パワー半導体大手。半導体に力が入っていないシャープから福山工場の敷地を取得し、300mmウェハ対応のラインを構築。SiCのラインも熊本に作るぞ!パワー半導体には詳しくないからこの辺で勘弁な。
日本の半導体産業が衰退しまくっていたころに、トヨタが危機感を覚えてデンソーとの合弁で設立した車載半導体メーカー。コロナ禍中に行われたオンライン学会に知らない会社の人が出てるなと思って調べたらここだった。
■ TI
米系のアナログ半導体世界最大手。富士通とAMD合弁のNOR FlashメーカーSpansionから買収した会津若松工場と茨城県の美浦に工場を持つ。最近は日本法人の話をあまり聞かない。
米系のアナログ半導体大手。三洋電機の半導体部門を買収したが、旧三洋の新潟工場は日本政策投資銀行出資のファンドに売却した。現在の日本拠点は富士通から買収した会津工場。富士通が半導体事業から手を引き工場を切り売りしたため、会津若松市内には米系大手半導体メーカーの工場が立ち並ぶことになった。
■ Infineon Technologies (インフィニオン)
ドイツの大手電機メーカー、Siemenseが20年ほど前に半導体部門を分社化して誕生した。従来欧州系半導体メーカーは日本での存在感があまりなかったのだが、富士通のマイコン半導体部門を米Spansionが買収、そのSpansionを同じく米Cypressが買収、そのCypressをInfineonが買収した結果、日本市場でも存在感を示すようになった。もともとInfineon自体が車載半導体に力を入れており、有力自動車メーカーがそろう日本市場に注目しているというのもある。
■ Nuvoton Technology (ヌヴォトン)
台湾の半導体メーカー。半導体から撤退したがっていたPanasonicから、Tower Semiconductorと共同運営している工場と、マイコン設計部門を買収する。Panasonic時代は、自社家電向けの独自マイコンをメインに作っていたのだが、Nuvotonに買収された後はArmベースの汎用マイコンに設計品目が変わった。日本法人は車載やモーター制御向けのマイコン開発に特化させていく方針で台湾の開発チームとは住み分けを図る模様。富士通ほどではないが、Panasonicも半導体部門を切り売りしており、所属していたエンジニアはバラバラになってしまった。研究室が一緒でPanasonicの半導体部門に入社した友人がいたが、彼は今どこに流れ着いているのだろう?
CPUだったらintelとAMD、GPUだったらnvidiaとAMD、アメリカ企業は業界で基本的に2,3社、多くても4,5社に集約している
ルーターはシスコシステムズとジュニパーネットワークスとか、映像編集はAdobe、3D/CADはオートデスク、DBはオラクル,MS、クラウドはAWS,Azure,Google
寡占で儲けるのがアメリカ
それを頭に入れたうえでこれ見てほしい
自動車(トヨタ、ホンダ、日産、スズキ、マツダ、ダイハツ、スバル、三菱、日野、いすゞ)
造船(今治、ジャパンマリンユナイテッド、大島、三菱、名村、川崎、三井、定石)
複写機プリンター(フジ、リコー、コニカミノルタ、キヤノン、エプソン、ブラザー、京セラ、シャープ、東芝、富士通、NEC)
デジカメ(キヤノン、ニコン、ソニー、フジ、パナソニック、オリンパス、リコー(ペンタックス)、シグマ)
ミシン(ブラザー、ジャガー、ジャノメ、JUKI、ベビーロック、アックスヤマザキ)
化学(三菱ケミカル、住友化学、旭化成、信越化学工業、三井化学、昭和電工、東ソー、日東電工、三菱ガス化学)
どうですかこれ
どう思います?
同じ業界にいくつあるんだよって思いません?
日本企業だけでこれ。これに加えて海外の企業もあって競争してるわけだからそりゃ儲からない
まぁ化学に関しては一言で化学というのはかなり乱暴なんだけど、材料でみても結局同じことなのでわかりやすく化学にした
リストに載ってないけど、化学に関しては数千億円レベルに限っても、この倍くらい会社があって、再編が進んでない業界としてよく化学業界が挙げられる
https://gyokai-search.com/4-chem-uriage.htm
新しい産業がベンチャー企業でごった返してるっていうならアメリカでもあることだけど
成熟した業界でいつまでたっても再編が起きずに無駄な競争をしてるのが日本なんだよね
だから欧米企業が利益率10%~20%なのに、日本企業はいつも5%あたりでうろうろする
それが次の投資余力の差につながって成長に差が出てくる
何も知らない人が見たら7社もランクインはすごい!とか喜びそうなニュースだけど、
記事でも触れられているように、大手のほうが伸びが大きくて5位以下は伸びが小さい。
装置に関しては東京エレクトロンが大きいから例外ではあるけど、その他は「小さくて多い」だよね
パナソニック、東芝、三菱、日立なんでも屋の総合電機メーカーなんだよね
いわゆる複合型、コングロマリットってやつ
トヨタが冷蔵庫や洗濯機を作りだしたら、車の開発がおろそかになるだろってのは想像できると思う
無茶なたとえって思うかもだけど、今の日本にはそれくらい無茶がはびこってる
だから俺はソニーがホンダといっしょに車を作るって話を聞いたとき、まずいなぁって思ったよねw
ソニーって白物家電をやらないからほかの電機メーカーみたいに事業が「小さくて多い」問題がましだったんだけど、EVをやるのはどうだろうね
まぁ肝心の部分はホンダがやるからそこまでコングロマリット病を発症しないかもしれないけどね
何でも屋っていってみればイオンとかファミレスみたいなもんで、特定の層に刺さるものは置いていない
文化が成熟し細分化された時代に、総合スーパーや百貨店やファミレスでは限界がある
服にこだわる人は原宿渋谷の店で買うし、そうでない人もユニクロみたいな専門店で買う時代
靴はABCマート、家電はヨドバシ、Appleにこだわる人はAppleストアみたいにね
家電量販店にしても郊外に店がぽつぽつある「小さくて多い」型のヤマダ電機より、駅前にでかい店たてて大量の客をさばく「大きくて少ない」型のヨドバシのほうが利益率がいい
ヤマダ電機 675店 売上 1兆6,005億8,300万円 経常利益 368億8,900万円
日本の家電は競争力がなくなったけど、ダイキンが好調なのは空調専業メーカーだからだよね
自動車がある程度競争力あるのは家電メーカーみたいにあれこれ手を出すような状態ではではないから
それに気づいて復活したのが日立
2012年
2014年
日立マクセル(電池、光学部品、理美容、磁気テープ、CD、DVD)をマクセルホールディングスに売却
日立機材をセンクシアに売却
2016年
日立物流(流通)を佐川急便に29.0%売却(追加売却の予定)
日立国際電気(通信機器、放送機器、監視カメラ)を米KKRに売却
2018年
クラリオン(カーオーディオ、カーナビ)を仏エナップ シス エスエーエスに売却
日立、日立物流を売却 KKRが6000億円超で買収へ - 日本経済新聞
https://b.hatena.ne.jp/entry/s/www.nikkei.com/article/DGXZQOUC199XJ0Z10C22A4000000/
だけど俺はいい方向だと思っているんだよね。
ちなみに富士通はPFU売ったし、新光電気工業や富士通ゼネラルも売却するって言ってるから
日本の半導体産業は元気がないって言われるけど、元気な分野があって、それがパワー半導体なんだけど
1位 infineon(独) 48億ル
8位 nexperia(蘭)6.7億ドル
そして総合電機メーカーの事業が「小さくて多い」もあるので、二重の「小さくて多い」問題が発生している
にも書かれているけど、総合電機メーカーの一事業にすぎない半導体は投資額が大きくなると
事業バランスを気にして思い切った判断ができなくなり投資負けして撤退するというパターンを繰り返している。
早く三菱富士東芝の総合電機は半導体事業をルネサスやロームみたいな専業メーカーに売却するか、事業統合して別会社として切り出すべき
今絶好調といわれてるのが京都企業で、「京都企業はなぜ強いのか」なんて特集がされたりするんだけど
任天堂、村田製作所、日本電産、ロームに共通してるのは複合メーカーではないってことね
「この分野ではだれにも負けません」みたいな専業型が京都企業の特徴
昔は「京都といったら京セラ」みたいな時代があって、アメーバ経営も注目もされたけどこの10年くらいは停滞している
せっかくセラミックという専業の強みがあったのに、なぜかスマホとか電動工具とかプリンターとか始めて複合化してしまって(あの悪名高きバルミューダのぼったくりスマホも京セラ製)
そんなことやってるから村田製作所においつかれ、そして離され始めている
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUF205NV0Q2A620C2000000/
"谷本社長は10人程度の小集団で業務改善を競う「アメーバ経営」の見直しや、16に分かれた事業の再編などの改革を進めてきた。"
任天堂は亡くなった山内元社長が他分野に手を出すなっていってたらしいけど、最近アニメとかテーマパークとかやり始めてゲーム事業がどうなるか心配
でも岩田社長が素晴らしいのは、家庭用と携帯機の開発を統合しして「小さくて多い」問題を解消したこと
2つしかないものを「多い」っていうのも変な話だけど、作る側も買う側も一つに絞ったほうが助かるよね
フロムソフトウェアも2005年~2010年ごろは社員数250人で年に5~10本のペースでリリースする「小さくて多い」状態だったんだけど
フロム・ソフトウェア#ゲームソフトウェア
逆に今不調なのがスクエニ
スクエニは社員数3000人で年30~40本もリリースする「小さくて多い」路線で失敗している
社員数が同じくらいで業績好調なカプコンが年に5~6本、任天堂は社員数7000人で年10本程度なので
スクエニはカプコン任天堂の7、8倍ゲームを出している計算になる
スクエニのリリース数って毎週ゲーム出してることになる。スクエニは社内に自社のゲームを把握できてる人いないのでは?w
アニメ業界といえば、アニメーターの薄給問題が有名だけど、それも会社が600社もある「小さくて多い」問題だからだよね。
そういう構造的問題を無視して、オタクたちはアニメは日本の文化だ!国が補助金出して支えろ!とか言ってるからホラーだなって思う。
製作会社自体が「小さくて多い」し、製作委員会方式のせいでアニメの権利者が「小さくて多い」からヒットしても利益が分散してしまうし
見る側にしても年200本もアニメが製作されたら可処分時間が分散する「小さくて多い」だし
鬼滅の刃は委員会方式やめたからリスクは大きいけど利益も大きいだろうから、いい見本にしてほしいよね
今回は特定の業界に絞って言ったけど、農業も病院も「小さくて多い」で、根本的な問題は解決せずに補助金で何とかしてる状態なのがアニメ業界と似ているよね
地方自治体の行政システム問題も1700もあるからだし、知床遊覧船のKAZU1の問題も結局のところ、日本に950社以上あって過当競争だからだし
銀行のオーバーバンキング問題とかもそうだけど、とにかくこの国は小さいものが多すぎる
「大きくて少ない」が日本の目指す方向
https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2208/23/news061.html
米巨大IT、複合企業化のツケ(The Economist)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB060OR0W2A101C2000000/
https://anond.hatelabo.jp/20200813115920
上記の記事を書いた増田です。外出して戻ってきたらまさかの100ブクマ越えだったんで、調子に乗って続きを書きます。
要するにソニーの半導体事業部。金額ベースでイメージセンサーの世界シェアが50%を超える王者。
裏面照射型や積層型といった新技術も世界に先駆けて開発しており、技術・規模両面において市場をリードしている。
ただし、スマートフォン・デジカメのハイエンド品がメインなので、数量シェアでは過半数を下回る。
また車載向けではシェトップではなく絶対的王者といえるほどその地位は安泰ではない。
ソニーのイメージセンサーの基幹工場。初めからイメージセンサー向けで建てられたという特徴がある。
イメージセンサーの主流がCCDからCMOSに切り替わるタイミングでの大規模投資が功を奏し、近年では珍しい日本企業の電子デバイス分野での覇権獲得につながった。
みんな大好き、SCEの久夛良木さんがPS3で夢を見てCell Processor量産のために大規模投資をした工場。
もともとハイエンドプロセッサ向けの工場だったのだが、PS3爆死のあおりを受けて設備投資が中断。
ソニー本体が65nmまででプロセス投資凍結 → 東芝へ売却 → ソニーによる買戻し → イメージセンサー工場に転換という数奇な運命をたどる。
これまたPS3のGPUであるRSXの製造を担当していた。ソニーがイメージセンサーの規模拡大のために東芝から買収。
もともとはNECの先端ロジック半導体の製造拠点。製造品目としてはWii / Wii UのCPUが有名。
NECのロジック半導体部門が分社化したNECエレクトロニクスが旧ルネサスと合併後、日立系との勢力争いで非主流派となり、工場閉鎖が検討されていたところをイメージセンサーの製造能力拡大を図りたいソニーが買収することになった。
こうしてみると、ソニーのイメージセンサーのシェア拡大には競争力のなくなった各社のロジック半導体工場の買収が大きく寄与していることがわかる。
最も、製造品目の転換にはデメリットもあって、最初から専用工場として建てられた場合に比べて効率が劣る部分があるのだ。
例えば、半導体の配線材としては銅が使われているのだが、金属汚染を避ける必要があるため工場内のレイアウトはそれを考慮されている。
ところが先端ロジック半導体では10層以上使っており配線工程が多いのに対して、イメージセンサーでは3層程度だったりするので、工場をそのまま流用すると製造装置の配置で効率が悪くなる部分が出てきたりするのだ。
ごめん、ぶっちゃけパワー半導体は詳しくない。三菱電機、東芝、富士電機あたりが主なプレーヤー。
現状では売り上げ、技術ともに世界上位だとは聞いているが、懸念点はある。
彼らは国内の自動車メーカーや重電・家電メーカーに納めるモジュール向けに生産しているのがメインで、半導体メーカーとして世界の顧客に積極的に売るという感じではないようなのだ。
かつての総合電機本体が自社の家電向けに半導体を生産していたのが、国内メーカーのデジタル家電のシェダウンで売り上げを落とし衰退したのを見ているだけに将来が恐ろしい。
ドイツのInfineonやアメリカのON semiconductorのようにウェハを300㎜化して外販増やす戦略もとっていないようだし、どうなることか…
■ ルネサスエレクトロニクス
かつてはマイコン世界一。旧ルネサス時代に日立系・三菱系の製品ラインナップを統合できない間に、NEC系の製品も入ってきて大混乱。
顧客が1社購買を避けるため、一時的には1+1+1=3になっていたが、現在ではいいとこ1+1+1=1.5程度ではないだろうか。
民生機器向けのローエンドマイコンではPICとAVRを有するMicrochipの攻勢を浴び、ハイエンド品ではArmベースで開発しやすさをうたうST Microの攻勢を受けて苦しい状態が続く。
ちなみにアナログ半導体でも日本最大、世界シェアでTop10に位置する。さすがは日本を代表する半導体メーカー。
とはいえ、アナログ半導体については国内の工場をガンガン閉鎖したため、ぶっちゃけ国内で製造している割合は大きくなく、買収した米国の旧Intersilの寄与分が大きい。
■ 東芝
電子工作雑誌、トランジスタ技術に乗っているような個別半導体を今でも作っている貴重な日系メーカー。ルネサスが古い工場をガンガン閉鎖してほとんど個別半導体から手を引いたため、
ちょっとした単機能部品を使おうと思うと日系メーカーでは東芝がほぼ唯一の選択肢となることも多い。
アナログ・ディスクリート部門の売上自体はNANDを作っているキオクシアに比べて規模が小さく地味な存在ではあるが、個人的には頑張って製造を続けてほしいと思っている。
■ ローム
何かと癖のある京都系メーカー。かつてはデジタル家電向けにカスタムICを作り高収益企業として知られていたが、最近ではそうでもない。
とはいえ、車載向けの比率を増やしたり、沖電気の半導体事業買収 / ヤマハから工場買収といったように経営的にはいろいろ模索している。
総合電機系の半導体メーカーが軒並み没落する中で、大崩れせずに生き残っているあたりはさすが京都系というところか。
なお、独自の社風は業界内でも有名。技術を身に着けた男性社員が転職して出ていかないように、地元京都の女子社員を顔採用してお嫁さん候補としている等の都市伝説あり。
ちなみに筆者は就活生であったころロームに選考書類を送ったのだが、他社では聞かれたことがない出身中学校を教えてくれと追加連絡があり、返信後にお祈りされるという謎の経験をしている。
■ TI
アメリカを代表する世界最大のアナログ半導体メーカー。半世紀くらい前から日本に拠点を構えている。外資系のためドライな部分があるようで、工場が老朽化すれば容赦なく閉鎖している感がある。
主力工場は旧Spansion (AMDと富士通が合弁で作ったNOR型Flash memoryの会社)から買収した会津若松工場。
小規模な工場が使われることの多いアナログ半導体では珍しく先端品同様300㎜ウェハを使った大規模工場だぞ。さすがはアナログの王者といったところか。
アメリカの電機メーカー、Motorolaの半導体部門のうち、アナログ / ディスクリート部門が分社化。三洋電機の半導体部門を買収。
日本にもそこそこの規模の工場や開発拠点を有しているが、気がかりなのは将来性。リクナビを見る限り、あまり積極的に人材採用してる感じじゃないんだよな。
定年等の自然退職分の補充だけというか。日本に進出している外資でも、Western DigitalやMicronは割と積極的に採用・投資している感じなのだが、同じ外資でも方針が分かれるのだろうな。
■ デンソー
トヨタが日系半導体メーカーの衰退に危機感を覚え、自前の開発リソース強化を決断、グループの半導体開発のリソースをデンソーに集約。
富士通から工場を買収したり、東京に設計拠点を開設してルネサス等の大規模リストラで失業したエンジニアを引き抜きしたりしている模様。
筆者の同僚も1人ここへ転職していった。
■ ソシオネクスト
富士通とPanasonicの先端ロジック半導体の設計部門が統合してできた日本最大のファブレス半導体メーカー。
デジタル家電や画像処理に強みを持つのだが、台湾勢とのガチ競合を避けるために若干ニッチにシフトしている感がある。
旧富士通と旧Panasonicの拠点が併存しており、社内文化の融合はあまり進んでいないとの噂。
■ メガチップス
任天堂関連銘柄。最初からファブレスで創業した日本では珍しい企業。大阪地盤だが、旧川崎製鉄の半導体部門を買収して関東にも拠点を確保した。
ソシオネクストが誕生するまで日本最大のファブレス半導体メーカーだった。
日本のファブレス半導体メーカーといえばかつてはここが一番有名だった。カリスマ社長が創業して、講演会や本の出版も盛んにやっていた。
デジタル家電で急成長してリーマンショック前には200億くらい売り上げがあったのだが、今では30億くらいに落ち込んでいる模様。
ある程度年齢を重ねて思うのだが、経営者がメディアに積極的に露出する会社は経営に割くべきリソースを浪費しているような気がする。
筆者も大学生のころは意識高い系だったので就活の時にはこの会社を志望していたのだが、今思えば採用されなくてよかったと思っている。
■ 日亜化学
LED大手。売り上げでは日系半導体メーカー上位だが残念ながら筆者は詳しくない。
■ シャープ
10年ほど前までは世界ランキング20位くらいに位置していたが、
最近はあまり開発リソースや設備に投資がされていないようで存在感があまりない。
■ EPSON
■ 日清紡
本業は繊維メーカーなのだが、最近はなぜか半導体メーカーへ出資をしている。
オーディオファンに知名度の高いオペアンプで有名な新日本無線や、電源ICを作っているリコーの半導体部門を買収している。
■ ミネベアミツミ
アナログ半導体に一定のリソースを割いている模様。10年ほど前に元になった会社のミツミがルネサスの工場を買収 / SIIの半導体部門が独立したエイブリックを買収など動きあり。
それにしても、エイブリックはあの事業規模でガンガン広告出しているが、費用対効果めちゃくちゃ悪くないだろうか。渋谷で看板を見たが主要顧客へのアピールやエンジニアの採用には役に立たない気が…