高層ビルや歴史的建造物など、丸の内の建築群を現場のレポートを交えながら紹介する連載「丸の内建築ツアー」。今回は、大手町の北端に建つロケットのような鉄塔を載せた「NTTコミュニケーションズ大手町ビル本館・別館」を紹介します。 NTTコミュニケーションズ大手町ビル本館の建設と経緯 戦後の高度経済成長期が始まる直前に、電信電話業務の拡大や電気・通信事業の効率化などを目的に、元々、逓信省であった電気通信省から、1952年に日本電信電話公社(電電公社)が誕生します。そして高度経済成長期に突入し、急速な経済成長を支える電話の需要急増や電気通信技術の進歩から、大都市を中心に大規模な通信局舎の需要も増大していました。1961年4月に先行して建設が進められていた局舎本体が地上7階、地下3階、塔屋3階、高さ42.75mという規模で竣工します。竣工時は電電公社であったため、ビルの名称は「大手町電電ビルディング」