警察庁は1日、足利事件の再審で無罪が確定した菅家利和さん(63)を逮捕、送検した栃木県警の捜査の問題点を検証し、報告書にまとめた。DNA型鑑定の正確な理解が不十分なまま過大評価し、犯人だろうとの先入観で取り調べに臨んだと分析した。供述のあいまいさや不自然さについても、事件後、取り調べまで1年半たって忘れたものと安易に判断。「犯人でなければ重要事件を自供するはずがない」と思い込んで虚偽の自白に追い込んだ――と総括した。 再発防止策として、虚偽自白を生まないため、自白の信用性を吟味する専従の担当を設ける▽取り調べる相手の性格を把握し、心理学などの専門家の助言を生かす▽DNA型鑑定の信頼性を支えるため、長期間保存できるよう全国の警察署で冷凍庫を整備する――ことなどを挙げた。 警察庁は、同庁や県警の当時の関係者約20人から聞き取り、捜査過程を検証した。 報告書によると、県警の捜査員は菅家さん