冒頭、来場者に投げ掛けられたのは「ゲーム業界、とくに日本の状況はいま最悪です」という“稲船節”とも呼べる強烈なメッセージ。「それなのになぜ皆さんはこの業界に入ろうとしているのでしょうか?」。稲船氏は自身を例に挙げ、「それは“仕事がおもしろいから”に尽きるのではないでしょうか」とゲーム業界で働くことの魅力を説明する。「ゲームをクリエートすることはおもしろい。だから僕は23年間、ゲーム業界で働き続けているんです」。たとえ最悪な状況でも、仕事の“おもしろさ”、“やりがい”というのは働くうえでの十分な動機づけになると力説し、「皆さんにもそういう姿勢を持ってもらいたい」と呼びかけた。 稲船氏はここで改めて、日本のゲーム業界が最悪な状況である理由に言及。「多くのクリエーターは、ゲームが売れない理由を誰かのせいにしている」と語り、「会社が作らせてくれない、お金が出ない、企画を通してもらえないといった声を