こんにちは、いまトピアート部のyamasanです。 19世紀末から現代まで、日本や海外の美術作品を13,000点以上所蔵する東京国立近代美術館のコレクションの中でも異彩を放つのが、日中戦争からアジア太平洋戦争期に軍の委嘱で制作された戦争絵画「作戦記録画」。 敗戦後はアメリカが接収し、1970年に「無期限貸与」という形で返還され、150点あまりを東京国立近代美術館が管理(所蔵)していますが、私たちも同館のコレクション展でその片鱗を見ることができます。 そこで、今回は、少し変わった視点から作戦記録画を深読みしてみたいと思います。 はじめに紹介するのが、中村研一《珊瑚海海戦》。 中村研一《珊瑚海海戦》東京国立近代美術館 「珊瑚海海戦」は、連合軍の航空基地ポートモレスビー占領を企図した日本海軍と、それを阻止しようとする米豪海軍艦隊の間で、昭和17(1942)年5月7日から8日にかけて起こった海戦で