昨年上梓した、『アングロサクソン資本主義の正体~100%マネーで日本経済は復活する』でも述べたが、銀行の「信用創造」という特権をなくし、代わって「政府貨幣」を発行することが、日本の、またアメリカやヨーロッパでも問題になっている国家の財政危機の解決策になると私は思っている。 復興は信用創造でなく政府貨幣で 政府に対する銀行の強い影響力を考えると、それは非現実的なことだと多くの人は考えるだろう。しかし手元にない(準備金として実際に持っていない)お金を貸し出して、それから金利を得られるという銀行の特権は、市場原理によってもたらされたものではなく、「部分準備銀行制度」という名のもとに、政府の法律によって支えられている仕組みであり、政府がこれを撤回するしか、この社会全体に対する不公平を取り除くことはできない。 部分準備銀行制度から政府貨幣へ移行することを提唱しているエコノミストは少なからず存在する。