【ワシントン=洞口昇幸】オバマ米大統領は28日、ニューヨーク州にある陸軍士官学校の卒業式で訓示を行いました。「米国が内外で直面する最大の脅威はテロリズムだ」としながらも「テロリストをかくまう全ての国に侵略するなどの戦略は、幼稚で維持できない」と指摘。イラク、アフガニスタンでの戦争をふまえ、対テロ戦略などで軍事一辺倒の対応を見直す考えを示しました。 オバマ氏は「孤立主義」も「干渉主義」も否定し、米国が「世界の舞台で常に指導性を発揮する」ことが肝心だと強調。その上で、「最高の金づちを持っていても、解決すべき問題がすべてくぎとは限らない」との言い回しで、軍事力だけが指導性発揮の手段ではないと強調しました。 米国の根本的利益が危うくなれば軍事力を使うとしながら、そうでない場合は「同盟国や友好国を動員して共同で対処する」と表明。アフガンからの撤退で、南アジアや北アフリカ諸国でのテロ対策が可能になった