深夜、ひと稀なオフィスのフロア、音の割れまくった音楽が聞こえる。あるガールズバンドの仮歌のデモが同僚のノートPCのスピーカーから流れている。デモゆえの荒っぽさがノートPCのスピーカーゆえに増殖され、余計に心を揺さぶる。社畜の日常でおきる、ささやかなエモーショナルな情景である。 これを実名アカウントで書くわけにはいかない。リリース前の楽曲なのだから、ヘッドフォンで聴くべきであるとの誹りを受けかねない。それは正論である。(実際、私はそうしている) 協業者に不安をあたえるかもしれないし、勤務先に迷惑をかけるかもしれない。実名アカウントとは、かくも不自由なものある。 晩秋、商売の都合でfacebookアカウントをとる。そんな経緯もあって、これは社宅の空き地なのだと知る。4・5階建ての社宅と社宅の合間のスペース、そこにて大声で唄ってみせる、そんな感じだろう。 たとえばCM制作会社の制作進行やテレビ制