仮に、テレビや新聞の報じていたニュースがまったくの虚報だったらどうすべきか。おそらく、一般の人々はそのデマを元に報じられたニュースの善悪性を判断し、人物評価を下してしまうだろう。そして、それによって当事者の人生は、大きく変わってしまうことが多い。 海外のジャーナリズムでは忌み嫌われる横並びの報道を「是」とする日本の記者クラブ制度のもとでは、実はこうした被害がたびたび発生している。ジャーナリストの浅野健一氏や山口正紀氏などが長年追ってきた「報道被害」の実例は、枚挙に暇が無い。 しかし、今回、明らかになった事例は、虚報の度合いといい、被害の大きさという点では過去にもそう例のないものだ。 鉢呂前経産相 「放射能と言った記憶がない」 火曜日、筆者が司会を務める『ニュースの深層』(朝日ニュースター)に鉢呂吉雄前経済産業大臣が生出演した。冒頭、筆者は鉢呂氏が発したという「放射能つけちゃうぞ」発言の真意