既存の学問領域にとらわれない研究を推進するフォーラム「Scienc-ome」に集う研究者が未来を語る連載。今回のテーマは、男女を問わず気になる白髪や薄毛である。 東京大学医科学研究所教授の西村栄美氏は2002年、髪の毛の色素を生み出す元になる色素幹細胞を発見。その後、髪の毛そのものをつくる元になる毛包幹細胞が色素幹細胞の維持に不可欠で、いずれも、加齢やストレスによって減少し、それぞれ白髪と脱毛の原因になることを解明してきた。 さらに日本医療研究開発機構(AMED)『老化メカニズムの解明・制御プロジェクト』などを受けて、ストレスを受けた幹細胞の分裂と運命が変わってくることや幹細胞がお互いに競争しあっている事実を明らかにしたほか、高脂肪食などによる肥満が薄毛・脱毛を促進するメカニズムも解明している。 2017年に研究成果を社会に還元するためにイーダームを設立。同社は皮膚や毛髪の健康から健康長寿